« 牙を剥いた権力 | トップページ | 不当逮捕 »

ガチンコの勝負

平成16年2月5日は、身の危険を感じて、自宅に帰らなかった。
相手は強大な国家権力である。いきなり身柄を確保されては、どんな目にあうかわからない。その日は、市内のホテルに潜伏して、これからの対応に頭を巡らせ、寝付けない一夜を過ごした。

自宅に来た警察官の人数が7~80人ではなく、7~8人の聞き違いだったことが後からわかって、いくぶん気持ちは楽になったが、身に迫った非常事態が何ら改善されたわけではない。
一体、何の容疑で逮捕状が出たのかわからなかった。けれども、冤罪なのだから、事実を明らかにする証拠をできるだけ残さなければならない。刑事事件の場合、証拠を保全するのは捜査する警察・検察側であり、証拠を隠滅するのが被疑者側であるが、本件の場合は、全く逆であった。捜査関係者に証拠をそのまま押収されると、事実をねじ曲げられて反証できなくなってしまう。

とにかく、動くしかない。時間との勝負でもある。
その日のうちに、真実を明らかにする証拠を取り寄せ、かねてからの知り合いである弁護士のO氏に電話をかけ、明日、できるだけ早い時間に相談に伺う旨を伝えていた。

翌朝、予想したとおり、中警察署の刑事が寝込みを襲って、大勢で自宅に押しかけ、子供の通学に支障をおよぼしたという連絡があった。

6日は、朝早く目が覚め、ホテルを出てしばらく喫茶店で時間をつぶした。電話をすると、弁護士のO氏は中村警察署で被疑者との面会があるため、事務所に戻るのが遅くなるとのことづけがあったからである。その間も、常に周囲に警察の目があるような気がして落ち着かなかった。

弁護士のO氏に会って、手元にある証拠文書や写真を提示していきさつを話すと、彼は非常に厳しい表情になり、一点を見据えた。
そして、「これはガチンコの勝負になる」と、一言呟いた。
その時点では、まだ私は、何かの間違いだろうという楽観的な気持ちがどこかにあった。事態をそれほど深刻には考えていなかったため、O氏のその言葉を聞き流してしまっていた。

その後、刑事事件に強いO弁護士の言葉どおりの展開になろうとは。

|

« 牙を剥いた権力 | トップページ | 不当逮捕 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/145030/3126469

この記事へのトラックバック一覧です: ガチンコの勝負:

» 共感してくれる人がいるって事 [優希]
ブログを始めて良かったと思う事は私と同じように悩んでる人、私と言う人間を知ろうとしてくれる人に本当にちっぽけで、何も出来ない私でも知ってもらえる価値がある、生きてる意味がある、そう思える瞬間がある事・・・・ [続きを読む]

受信: 2006年8月22日 (火) 00時53分

« 牙を剥いた権力 | トップページ | 不当逮捕 »