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不当逮捕

弁護士のO氏に相談した後、自ら中警察署の署長に電話をかけた。
逮捕後の勾留請求等は争うことができるが、逮捕状の発令自体は法律上争う規定がない。他に真犯人がいて、その真犯人が捕まったという場合ならばともかく、本件はそのような事案ではないから、選択の余地はなく、出頭するしかしかたがない、とO氏は言っていた。

名前を名乗って用件を切り出すと、刑事課長に電話を回された。
「逮捕状が出ていると聞いたが」
と私が言うと、
「逮捕状が出とるかどうかはわからんが、一度、話はせないかんわな。いつ、来るんだ!」
と、その刑事課長はぞんざいな口調で言った。
「明日、昼頃、出頭します」
私も、無愛想に答えた。

その日も念のため、自宅には帰らず、市内のホテルで泊まった。
昼間相談した弁護士のO氏の言葉や厳しい表情を思い出し、勾留が長くなる覚悟もできていた。
しばらく、不自由な生活か。そう思うと、このまま大人しく寝るのがもったいない気がして、一人でふらりと街に出かけた。ほろ酔い機嫌でホテルの部屋に戻ったのは、夜中の2時を過ぎていた。

翌日、宿泊したホテルからそのまま中警察署へ出頭した。
12時頃、2階へあがって刑事課を訪ねると、
「おっ、来たか」
と言う声が上がって、急にあわただしくなり、目つきの悪い数人の男たちが周りを囲んだ。
取調室で対峙した刑事の1人が逮捕状を読み上げた。
容疑は、私が、税務調査に来た名古屋中税務署の竹山孝財務事務官(特別国税調査官)にカセットテープを投げつけ、殴りかかろうとして向かって行き、公務の執行を妨害したというものであった。
「今から執行する!」
刑事が私に手錠をかけた。

平成16年2月7日午後0時5分である。

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