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証拠検討:5

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カセットテープのケースの破片が散らばった状況について検討する。
この点については、竹山孝財務事務官(特別国税調査官)は、検面調書で、
「右側に自分の体を傾けて、飛んできたカセットテープをよけましたので、幸いカセットテープは、私の体に当たりませんでした」
「私がよけた後、カセットテープは、私の後方で何かに当たって割れたらしく、ガシャというもの凄く大きな音が聞こえました」
と言うだけで、具体的な供述は全くない。

河地隆雄財務事務官(特別国税調査官)も員面調書では、
「○○さんが投げたカセットテープは竹山さんがよけたため当たらず怪我をすることはありませんでした」
と言うだけで、具体的な供述はないが、検面調書では次のように述べている。
「○○が投げたカセットテープは、バラバラになって飛んでいったようなことはなく、全部一体のまま飛んでいって、竹山の体には当たらず、そのすぐ左後方の床に落ちて粉々に割れ、ケースの破片がその辺に飛び散りました」
「ですが、私が見た限りでは、投げられた後のカセットテープの破片は、全てパーテーションの位置より後方にありましたので、カセットテープがパーテーションに当たったとしても、正面からパーテーションに当たったわけではなく、パーテーションのへりをかすめるようにして当たっただけだったと思います」

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私の検面調書では、
「私がカセットテープを投げつけた際に狙った場所は、パーテーションの角辺りであり、実際にカセットテープが当たった場所は、パーテーションの真ん中より右側で、高さは床から80センチくらいでした」
「このパーテーションは高さ170センチくらい、幅10センチくらいのもので、表面にはクロスが貼ってありますが金属製ですので、カセツトテープが当たったときにはカシャーンという音がして、カセツトテープのケースがいくつかの破片に割れ、中のテープも芯棒が抜けてテープが伸びてしまいました」
となっている。
検面調書には、ケースの破片が散らばった状況についての説明はないが、ケースの破片が散らばった状況は写真に撮ってあるとおりであり、その写真は警察へ出頭した際に持参しているから所持品を調べてくれ、と検事調べのときに、私は言っている。

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ここで、検察が証拠として提出してきた写真撮影報告書と実況見分調書を照合する。
竹山、河地両財務事務官の指示説明により被害状況を再現し、写真撮影して調書にしたものであるが、平成16年1月27日撮影の写真撮影報告書と、平成16年2月23日撮影の実況見分調書では、投げつけられたカセットテープケースの破片が散らばった状況が異なっていることは、以前述べたとおりである。
前者は、竹山財務事務官の体の前方に模擬テープが散らばっているが、後者は、竹山財務事務官の体の左後方に散らばっている。
写真撮影による被害状況再現調書といっても、その内容は、竹山、河地両財務事務官の指示説明によるものであるから、前後で異なるということは、供述が変遷したことを物語っている。
なぜ、供述が変遷したのか。

Bulogu_096

右の図は、河地財務事務官の員面調書に添付されていた、私の事務所の見取り図である。
非常に不正確な図面であるが、この図によると、竹山財務事務官は、応接室を仕切っているパーテーションのへりとほぼ同じか、それより若干内側に立っている。
事件後4日目に作成された図面であるから、河地財務事務官にとっては、これがいちばん鮮明な記憶といえる。
同じ日に撮影された前記写真撮影報告書では、竹山財務事務官の体の前方に模擬テープが散らばっているから、当初、河地財務事務官は、投げつけられたカセットテープケースの破片は、竹山財務事務官の体の前方に散らばったと供述したものと思われる。

その後、私が撮影した現場写真と照合すると、いろいろ不都合が生じてきた。
竹山財務事務官がパーテーションのへりとほぼ同じか、それより若干内側に立っていて、カセットテープケースの破片がその体の前方に散らばったとするならば、カセットテープはパーテーションに当たったとしか説明できない。
パーテーションに当たったとなれば、竹山財務事務官を目掛けて投げたとする暴行の事実が崩れる。

そこで、
「竹山の体には当たらず、そのすぐ左後方の床に落ちて粉々に割れ、ケースの破片がその辺に飛び散りました」
「私が見た限りでは、投げられた後のカセットテープの破片は、全てパーテーションの位置より後方にありました」
という供述に変わっていったものと思われる。

また、被害状況を再現する実況見分を、実際の犯行現場ではなく、刑事課の広い宿直室で行ったのも、被疑事実を立証する上で、いろいろ支障が出てきたからであろう。

私の事務所の狭い応接室で行ったのでは、数本のカセツトテープを、どこにも当てずに投げつけることは至難のわざであることが判明する。2メートルくらいの至近距離から投げられたカセツトテープを、56歳の男が、はたして体をかわしてよけれるだろうか。
更に、私のいた場所から、竹山財務事務官めがけてテープを投げると、方向が斜めになる関係で、どこに当たっても、ケースの破片は彼の体の真後ろか、右後方に散らばり、左後方に散らばることなどありえないことも証明されてしまうからである。

私に有罪判決を下した伊藤新一郎裁判官の言葉を借りるならば、「竹山、河地両財務事務官の供述は、自己矛盾であったり、不自然不合理な点が多いため信用できず、彼らが虚偽の供述をしていることは、合理的な疑いを入れる余地なく認定できる」ということになるのではないだろうか。

国税、警察、検察は、このように、意図する目的のため無実の人間を罪に陥れんとして、情け容赦ないやり方で被疑事実を作り上げていくのである。

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