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〈控訴審裁判を控えて〉

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1.控訴審の状況
明後日(10月4日)、名古屋高裁で控訴審の第3回目の刑事裁判が開催されます。前回公判の状況から、この第3回目の公判で、裁判所は形だけの弁論を再開し、その直後に早くも不当判決を下す方針のようです。
当ブログの記事としては話は前後しますので、詳細な説明は、また後日させていただきますが、公判に先立ちまして、この違法な裁判の問題点を予め指摘させていただきたいと思います。

前回の8月9日の公判で、控訴審の裁判官は、被告弁護側の提出した証拠をすべて不採用とし、検察側の反則的な請求だけを証拠として認める弁論を再開したということは、当ブログの《本事件のあらすじ》でも述べているところです。

2.訴因の予備的追加請求
前回の後半に備えて、被告弁護側は平成18年7月20日の民事事件の判決書の写しと、現場の犯行再現写真報告書を証拠として提出しました。それに対して検察側は、次の訴因の予備的追加請求書を提出し、「訴因及び罰条等の変更のため弁論の再開を請求します」と申し立ててきたのです。

<訴因の予備的追加請求書
平成18年8月4日
名古屋高等検察庁 検察官検事 吉田幸久
被告人○○○○に対する公務執行妨害被告事件につき、平成16年2月27日付起訴状記載の訴因に下記の訴因を予備的に追加したく請求する。

公訴事実
被告人は、平成16年1月23日午後2時25分ころ、名古屋市○○○○号室において、被告人の所得税等の調査に訪れた名古屋中税務署財務事務官竹山孝(当56年)に対し、「うそばっかりつくな。」などと怒号しながら、同人の傍らにあった応接コーナー用パーテーションに向けてケース入りのカセットテープを思い切り投げつける暴行を加え、もって同財務事務官の職務の執行を妨害したものである。>

当初の起訴状は次のとおりです。
<公訴事実
被告人は、平成16年1月23日午後2時25分ころ、名古屋市○○○○号室において、被告人の所得税等の調査に訪れた名古屋中税務署財務事務官竹山孝(当56年)に対し、「うそばっかつくな。」などと怒号しながら、その身体に向けて数本のカセットテープを投げつける暴行を加え、もって同財務事務官の職務の執行を妨害したものである。>

変更になっているところは、「その身体に向けて数本のカセットテープを投げつける暴行を加え、」が「同人の傍らにあった応接コーナー用パーテーションに向けてケース入りのカセットテープを思い切り投げつける暴行を加え、」
になっていることです。
この二つの事実は両立しません。

竹山孝財務事務官の身体に向けて数本のカセットテープを投げつける暴行を加えたと言うことで、一審は私が有罪になったのです。いわばその裁判で、私が負けて検察が勝ったのです。
そして、有罪になった私が、その事実は誤りだとして控訴しているのに、一審判決の根拠になった訴因の事実を、なぜ勝訴したはずの検察が控訴審で変更するのでしょうか。

一審判決の量刑が軽すぎて検察が控訴したような場合なら、投げつけたのはカセットテープだけでなく灰皿も投げたとか、カセットテープを投げつけただけでなく、殴る蹴るの暴行も加えたとかいうことで訴因を追加することもあるでしょう。が、有罪を受けた被告人だけが控訴しているような場合に、なぜ、検察が有罪の根拠となった訴因を二審で変更しなければならないのでしょうか。

3.一審判決の根拠
一審判決は、このブログでも触れましたように、誰が読んでもデタラメとわかるひどい判決でありました。
一審の伊藤新一郎裁判官の判決理由は次のようなものです。
「本件における事実認定についての中心となる争点は、①被告人が被害者に向けてカセットテープを投げたと認められるか。②被告人がカセットテープを投げた当時、被害者が調査事務の執行中であったか。という点にあると認められる。」
と、判決理由でまず事実認定の争点を指摘しました。

しかし、その事実を認定した根拠は、被告側から出した多くの物証は全く検討することなく、証拠にも挙がっていない警察官の実況見分の状況を勝手に推測した事実や、竹山、河地両財務事務官の供述のみに信用性を置いて、有罪に導いたのであります。
「河地の公判供述は、被害者が応接室から出て行く際につぼを壊したと思われる点も含め事実を率直に述べていると認められる」
「加えて河地の供述する被告人の事務所を訪れた際、犯行に至るまでの被告人の行動についての供述は、その主要部分においては被告人の供述とも符合している」
「これらの事実に照らすと、河地の供述は被害者と同僚であることを考慮に入れても、犯行場面に限って敢えて虚偽の事実を述べて、被告人を罪に陥れようとしているような事情も必要も窺われない」
「また、被害者も、同人が応接室の入口に置かれていたつぼに接触して壊したことを含め、信用性の高い河地の供述と大筋において符合する内容の公判供述をしている。したがって、同様に、その内容は、犯行当日の犯行に至るまでの被告人の行動についての、被告人の供述内容の主要部分と矛盾してはいない」
「被告人は、腹を立て、興奮して相手を罵った上で物まで投げるような心理状態に陥っていたことを認めているところ、このような精神状態にあった被告人が、座ったままの姿勢を続けた上で、意識的に被害者らのいる方向を避けてカセツトテープを投げたというのは不自然さを禁じえない」
「さらに、被告人の供述する投げ方を前提にすると、投げたカセツトテープのケースが、弁護人の見分したような壊れ方をしたとは到底考えられない。そうすると、この点について被告人の説明は不合理で信用できず、弁護人が発見したカセツトケースの破片3個の存在は、むしろ被告人の公判供述の信用性に疑問を抱かせる事情となるものである」
「したがって両名の公判供述の信用性を疑わせる根拠」はなく、「以上の各事情を総合すると、被害者及び河地の、被告人が被害者に向けて4本くらいのカセツトテープを投げた旨の各公判供述は、被告人の本件犯行を裏付ける証拠としての信用性を有すると言うことができる」
「一方、被告人の公判供述中、犯行状況についての供述は、上記で検討した点も含めて、自己矛盾であったり、不自然不合理な点が多く信用できない」
「以上を総合すると、判示事実は合理的な疑いを入れる余地なく認定できる」
として有罪の判決を下したのであります。

4.一審判決に対する批判
この伊藤新一郎裁判官の言っていることは支離滅裂で、何を言っているのかよくわからないものですが、要約すると、次のようになります。
①犯行に至るまでの状況については、河地の供述は被告人の供述と主要部分において符合しているから、信用性が高い→
②犯行に至るまでの状況について信用性の高い供述をする河地が、犯行場面に限って虚偽の事実を述べるはずがない。それは竹山と同僚であっても同様で、被告を陥れて竹山に有利な供述をすることなどありえない→
③竹山の供述も、つぼを壊したことを含め、信用性の高い河地の供述と符合しており、犯行に至るまでの状況については、被告人の供述内容の主要部分とも符合しているから、信用性が高い→
⑤犯行に至るまでの状況について信用性の高い供述をしている竹山、河地が、犯行場面で虚偽の供述をするはずがない→
⑥したがって、犯行場面についても竹山、河地の供述は信用性が高く、それと異なる被告人の供述は信用できない、というものです。

犯行に至るまでの状況についての供述も、私と竹山、河地両財務事務官とでは大きく異なっておりますが、この論理がおかしいことは、そういったことを詳しく説明するまでもなく、河地、竹山と被告人の前後を入れ替えて読んでいけば、全く逆の結論になることから明らかであります。

また、伊藤新一郎裁判官は、
「被告人は、腹を立て、興奮して相手を罵った上で物まで投げるような心理状態に陥っていたことを認めているところ、このような精神状態にあった被告人が、座ったままの姿勢を続けた上で、意識的に被害者らのいる方向を避けてカセツトテープを投げたというのは不自然さを禁じえない」
と言っていますが、裁判官の常識では、腹を立てれば、相手に物をぶつけるのが当然で、我慢して相手に物を当てないようにするのは、不自然だと言うのです。
野球の審判の判定に腹を立てた選手や監督は、その審判にボールやバットを投げつけたり、殴りかかったりするのが自然であり、怒りを我慢して地面にボールやバットを叩きつけたり、ベンチやドアを蹴ったりするのは不自然で、現実にはありえない、というのが裁判官の常識なのでしょうか。
ここでは、一審判決を批判するのが目的ではありませんので、これ以上は述べません。

5.訴因の予備的追加請求の理由
この判決の不当性については後日のブログに譲りますが、問題は、伊藤新一郎裁判官が一審において事実認定についての中心となる争点として挙げた「被告人が被害者に向けてカセットテープを投げたと認められるか」という事実です。

この点については、いろいろな証拠を提出し、2年近く争ってきました。
4本ぐらいのカセツトテープを竹山財務事務官めがけて投げつけたという虚偽の証言を繰り返す竹山、河地両財務事務官を、検察は全面的に支持し、あらゆる画策を用いて対抗してきたのです。
そして、伊藤新一郎裁判官は、その竹山、河地両財務事務官の虚偽の供述が信用できるとしてその事実を認め、私に有罪を下したのです。

ところが、二審では、前述したように検察が、その有罪の根拠となった訴因の事実を、訴因の予備的追加請求として、変更してきたのです。
表現は予備的追加となっていますが、従来の訴因の事実と今回の訴因の事実は両立するものではありませんから、訴因の追加ではなく、変更です。
それも、一審の裁判継続中に変更したのではなく、敗訴した私が控訴した二審で行ってきたのです。

一審で検察側の思惑どおりの有罪判決が出されたのに、なぜ有罪の根拠となった訴因の事実を二審で変更しなければならないのでしょうか。
それは、さすがに控訴審では、デタラメの一審判決を維持できないと考えたからでしょう。
吉田幸久検察官だけでなく、二審を担当する門野博裁判長、村田健二裁判官、松岡幹生裁判官らも同様にそう思ったはずです。
今までの供述証拠や物的証拠を普通に検討すれば、伊藤新一郎裁判官が事実認定の中心的争点として挙げた①「被告人が被害者に向けて数本のカセットテープを投げたと認められる」という事実の認定には、とても無理があることがわかるからです。
もうひとつの中心的争点として挙げた②「被告人がカセットテープを投げた当時、被害者が調査事務の執行中であったか」という事実は、どうにでもなると思ったのでしょう。
だからこそ、二審でも一審の有罪判決を維持するためには、有罪の根拠となった①の事実を変更しなければならなかったのです。

竹山財務事務官に対してではなく、傍らにあった応接コーナー用パーテーションに向けてケース入りのカセットテープを思い切り投げつける暴行を加えたということでも、公務執行妨害罪における間接暴行の形態は、一応は整います。後は、公務中でそれを妨害する故意もあったとすれば、有罪に導けます。
暴行の事実さえ形式的に整えば、故意があったかどうかは本人以外誰にもわからない内心の事実であり、客観的な証拠では反証することは困難です。
「推認しうる」という裁判官の一言で、決められる事実なのです。

また、伊藤新一郎裁判官は、何の根拠もなく、
「さらに、被告人の供述する投げ方を前提にすると、投げたカセツトテープのケースが、弁護人の見分したような壊れ方をしたとは到底考えられない。そうすると、この点について被告人の説明は不合理で信用できず、弁護人が発見したカセツトケースの破片3個の存在は、むしろ被告人の公判供述の信用性に疑問を抱かせる事情となるものである」
とも述べていましたので、被告弁護側は、犯行状況を再現してカセツトテープのケースがどのように割れるかを写した写真と報告書を、民事事件で勝訴した判決書とともに、二審で証拠として提出したのです。

ところが、二審の裁判官は、被告弁護側の出したそれらの証拠をすべて不採用とし、検察側の出した訴因の予備的追加請求だけを証拠として採用したのです。

この訴因の予備的追加請求の違法性については弁護団の説明に譲りますので、ここでは詳しく述べませんが、一審判決の根拠となった訴因の事実が間違っていれば、その判決は不当な判決であり、本来は、控訴審で被告人無罪の判決を言い渡すか、一審に差戻して審理をやり直させなければなりません。

それをせずに、予備的追加請求のみを証拠として採用したのは、高裁の裁判官が無罪判決を出したくないからであります。
もともと刑事の裁判官は、無罪判決を出すことを極端に嫌いますが、国の責任がらみの事件では無罪判決を出すことはほとんどありません。国という組織の一員である保守的な公務員である裁判官が、業務や人事で不利益をこうむることを覚悟してまで、何の面識もない一被告人に味方する理由などないからです。
加えて、一審の伊藤新一郎裁判官は、現職は名古屋地裁の刑事部長ですが、前職は名古屋高裁の左陪席を勤めていた裁判官です。高裁の裁判官にすれば、単なる同じ仲間の裁判官というだけでなく、かっての同僚に当たる関係です。決して浅い関係ではないのです。

6.裁判官の自覚の欠如
もちろん、訴因の予備的追加請求という手段は、検察側から相談して持ち出されたのか、裁判所側が検察官を呼んで慫慂(しょうよう)したため出てきたのか、定かではありません。
しかし、裁判所側の思惑と検察側の思惑とが一致して、出来レースのような裁判を行っていることは間違いありません。高裁の裁判官に、公正妥当な裁判を行おうとする意思は全くなく、納税者である国民を守る法律の番人としての自覚が欠落していることだけは、確かだと言えるでしょう。
もはや、私の二審判決の行方は、法律論争いかんにかかっているのではありません。
情けないことですが、担当する高裁の裁判官に、法曹家としての正義と誇りが残っているかどうか、それを貫くだけの勇気があるかどうかにかかっているのです。

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なお、当日弁護側の弁論を全く検討することなく、判決が下されることになるかも知れませんので、参考までに、下記弁論要旨を記載しておきます。

平成18年(う)232号 公務執行妨害被告事件
被告人 ○○○○
平成18年10月4日
名古屋高等裁判所刑事第2部 御中

弁護人 ○○○○

弁護人 ○○○○

弁護人 ○○○○

弁論要旨

起訴状記載の当初訴因(以下,「直接暴行訴因」という)に関する弁護人の意見,また平成18年8月4日付け訴因の予備的追加請求書記載の訴因(以下,「間接暴行訴因」という)に関する弁護人の意見は,以下のとおりである。

第1 直接暴行訴因に関する弁護人の意見
控訴理由にあたる原判決の事実誤認については,控訴趣意書について詳述した通りであるが,当審において新たに取調べられた証拠に基づき,補足する。

1 竹山の供述の信用性について
 当審での証拠調べの結果,竹山の供述の変遷が,さらに明らかになった。
 また,河地の不合理な供述が明らかになった。
(1)当審で取調べられた竹山関係の証拠
供述された時期の順に,次のとおりである。
平成16年1月23日 被害届(当審検甲第1号証)・・・当甲1
同年1月27日 供述調書(当審検甲第2号証)・・・当甲2
同年2月12日 供述調書(当審検甲第3号証)・・・当甲3
同年2月24日 供述調書(当審弁第5号証)・・・当弁5
同年2月26日 供述調書(当審検甲第4号証)・・・当甲4
平成17年12月1日 証人調書(当審弁第4号証)・・・当弁4

(2)上記証拠に現れた竹山の供述の変遷等
ア 当甲2
(ア)録音テープの内容に関する説明が異なっていた
録音テープの内容について,竹山は,「確かに,○○から署長を連れてこい等と言う強い口調と私が生返事をする内容が録音されていた」(8頁)と述べている。後に,竹山は,署長との面談は断った旨,証言した。この間の供述の変遷に合理的な理由は与えられておらず,かえって,被告人との電話の中で「分かりました」と述べたことが,被告人(民事訴訟における原告)にとって有利な事実であり,竹山及び民事訴訟における被告国にとって不利な事実であることから,竹山が「分かりました」と述べた趣旨をねじ曲げていったことが明らかとなる。
(イ)被告人による写真撮影を1回の出来事として述べていた
竹山は,被告人の撮影行為を1回の出来事として述べている(8頁)。
その後,竹山及び河地は,撮影行為は2回の機会に渡った(制止により一旦撮影をやめた被告人が再度撮影を始めたため席を立った)であった旨証言しているが,この間の供述の変遷について,合理的な説明は与えられていない。かえって,自らが席を立った理由を正当化・合理化するために,被告人の撮影の執拗さを強調しようとして,撮影行為が2回あった旨,河地と通謀して述べるに至ったことが疑いを否定できない。
(ウ)録音行為を禁止する「判例」
竹山は,「判例で録音行為の禁止が成されている」旨告げたと述べている(8頁)。しかし,税務調査において録音行為を禁止する判例はない。録音行為と調査拒否との関係が問題となった裁判例はあるが,竹山は,虚偽の事実(架空の判例)を持ち出して,被告人を騙そうとしたのである。
このような判例があることは,竹山は後に述べていないことから,自らの述べた嘘が露見するのを恐れ,同趣旨の供述をしなくなった疑いを否定できない。
(エ)席を立った理由,移動の理由
竹山は,被告人が写真撮影を始めた後も,前記「判例」の話を持ち出し,被告人が立ち上がりながら古賀調査官の問題を持ち出し,「怒号をまき散らしながら私達に因縁を付けてきた」ので,「このままではいけないと思い」移動したと述べる(8~9頁)。すなわち,席を立って移動した理由は,被告人の怒号等であり,写真撮影ではないのである。
その後,竹山は,席を立って移動した理由を,被告人が2度目の写真撮影をやめないためと証言したが,この間の供述の変遷に,合理的な理由は与えられていない。
むしろ,当甲2で竹山が述べる内容では,竹山が席を立ち,移動する直前,被告人と竹山のやりとりは,経緯に関する論争であって,原告は録音も写真撮影も行っていなかったのであるから,竹山が席を立って移動した理由を,調査拒否として正当化することができない内容である。このため,竹山が,写真撮影を理由にすり替えた疑いを否定できない。
また,当初,竹山と河地の供述は,この点で食い違っていたことが明らかである。河地の供述は,写真撮影が2回であったことで一貫しているが,なぜ,竹山の供述が,この河地の供述と後に一致するようになったのか,裁判所に考えていただきたい。竹山において,供述の変遷の説明がない以上,両名の間の通謀以外には,その原因は考えられない。
(オ)河地と共に退出したとする点
竹山は,「後ずさりをしながら玄関口から○○の事務所外へと河地さんとともに出て」(9頁)と述べた。
後に,竹山は,自らが先に出て(一目散に逃げ),河地が後であったと述べ,更に,民事訴訟において,先に出た竹山がドアを押さえて河地を待っていたことを認めるに至った。
この間の供述の変遷に合理的な理由は与えられていない。
むしろ,当初の段階で,被告人が「私に対し殴りかかってくるかの勢いで顔面を紅潮させ私に突進をしてきた」(9頁),あるいは「私におそいかかってきた」(図面)ことを,主たる脅威として主張していたこと,被害を誇張して「逃げ方」を大げさに述べようとしたことが示されている。
なお,被告人が竹山に向かって殴りかかっていったり,襲いかかっていったりしたことはない。そうであるならば,民事訴訟で河地が証言した当時の河地の態度(ノートを鞄にしまい,悠然とコートを着込む)は,一層説明不可能となる。河地としては,書棚に遮られて退出する竹山の様子が見えないのであるから,河地に分かったのは,被告人が竹山に襲いかかり,玄関で何かが割れた音がしたということになる。とすれば,河地が竹山が被告人に暴行を受けていると考えるのが当然であるのに,河地の実際の行動は上記の通りであった。
このように,竹山・河地の供述は,形式的に符合しているがゆえに,実質的に矛盾しているのであって,およそ信用できない。被告人は,実際は,玄関で壷の割れる音を聞いてカメラを持って玄関に向かったのである。
(カ)壷を損壊したことを隠していたこと
竹山は,当甲2の段階では,壷を壊したことを隠していた。初めてこれを述べたのは,当甲3の時点である。
後に竹山は,壷を壊したことは最初から述べた旨証言したが,自らに不利益な事実を当初は隠していたのが真実であった。
(キ)添付図面に書棚が示されていないこと
竹山が退出する状況を,河地が見ることができたかどうかについては,原審から争いがあったところである。
河地が,ソファとドアとの間に書棚がない図面を描いていることは原審の段階で明らかであった。
当甲2の段階では,竹山が描いた図面が添付されているところ,同図面では,河地が座っていたソファとドアとの間の書棚が記載されていない。
すなわち,竹山と河地は,ともに,同書棚の存在を認識していなかった。このため,竹山と河地は,それが客観的事実を矛盾するものとして追及されることを予測できず,通謀の上,河地が竹山の退出状況を見ていたことに話を合わせることにしたと考えるのが自然である。

イ 当甲3
(ア)録音テープの内容に関する説明が異なっていた
当甲3においても,竹山は,再生されたテープについて,署長を連れてこいという被告人の言葉に対して,「私が返事をする内容が録音されていた」と述べている(3頁)。このことが竹山の供述の信用性に及ぼす影響については,既に述べたとおりである。
(イ)録音行為を禁止する「判例」
竹山は,「判例で所得調査を妨害するような行為は禁じられている事から,写真撮影を中止するようにまたフィルムを提出するように警告した」旨述べる(4頁)。先に指摘した当甲2と内容が変わったことは明らかであるが,合理的な説明は与えられていない。
(ウ)竹山の立ち位置とカセットテープが当たった場所について
竹山は,被告人が投げたカセットテープが「私の背面になっていた壁やついたて(だと思いますが)」に当たった旨述べる(6頁)。
当時の竹山が認識していた現場の配置は,当甲2の添付図面のとおりであるが,ここで重要なのは,竹山の背後に「壁やついたて」があったと竹山が認識していたことである。すなわち,竹山はパーティションよりも内側にいたこと(原審における被告人の説明する立ち位置に近い状況)を意味する。パーティションの内側では,竹山が避ける余地はほとんどない。
さらに,竹山は,カセットテープが「ついたて」,すなわちパーティションに当たった可能性を否定していない。
竹山は,後にこの供述を変更し,竹山はパーティションの後ろに立っていたこと,竹山から見て左側をカセットテープが通過していったことを述べるに至ったが,この間の供述の変遷に合理的な理由は与えられていない。かえって,被告人が逮捕後に,パーティションを狙ってカセットテープを投げたと述べていることを警察官を通じて聞き,従来述べていた位置関係では,被告人が竹山を狙って外すはずがない距離・状況であることに気づき,位置関係を変更したことが窺われる。
(エ)壷の損壊に対する被告人の追及と撮影
竹山は,「陶器でできた花瓶みたいなもの」を割ったことを述べ,誤らなければと思っていると,原告が「割った。割った」とわめき,写真撮影を始めたこと,河地が被告人の横をすり抜けて玄関で靴を履いた旨述べている(7頁)。
竹山の後の供述については,既に述べたところであるが,竹山が壷を割ってから退出するまでの間に,被告人の言葉や撮影を目撃するだけの間があったこと,河地が靴を履く状況を目撃していることは明らかである。

ウ 当弁4
竹山は,民事訴訟において,投げられたカセットテープが,「私の左横,肩のほう」を通過したケースは,割れて,竹山の足下に散らばっていたと述べた(11,18,33頁)。
これが不合理であること,前方の床に向かって,実際に投げつけてみれば,立ちどころに分かることである(原審は,経験則の認定について,実験的精神に乏しかった。経験則の存否は客観的に検討すべきであり,判決文の書き易さで恣意的に決めてよいものではない。当審が,そうでないことを切に願う)。
竹山は,刑事訴訟では弁護人に対し,上下の位置は定かではないとしていた(調書・46頁)が,上記民事訴訟での証言にあたって,刑事事件のときよりも記憶がはっきりしているかどうかについては,「それほど変わらないと思います」とのことである(18頁)。
竹山が,事実を経験していない,あるいは記憶していないのに,あたかも経験したかのように供述する性格の証人であることは,従前の供述と民事訴訟での証言を対比すれば明らかである。

2 河地の供述の信用性について
 当審での証拠調べの結果,河地の供述の変遷が,さらに明らかになった。
 また,河地の不合理な供述が明らかになった。
(1)当審で取調べられた河地関係の証拠
供述された時期の順に,次のとおりである。
平成16年1月27日 供述調書(当審弁第3号証)・・・当弁3
同年2月12日 供述調書(当審検甲第5号証)・・・当甲5
同年2月23日 供述調書(当審弁第2号証)・・・当弁2
同年2月26日 供述調書(当審検甲第6号証)・・・当甲6
平成17年12月1日 証人調書(当審弁第1号証)・・・当弁1

(2)上記証拠に現れた河地の供述の変遷等
ア 当弁3
(ア)竹山の立ち位置について
河地は,竹山の立ち位置を,被告人と2メートルくらいと述べ(6頁),添付図面で,パーティションよりも内側に描いている。
これが,後にパーティションより外側に変更されたこと,供述の変遷に合理的理由が与えられていないこと,窺われる変更の動機については,竹山について述べたことと同様である。
(イ)被告人が竹山に向かって突進した事実がないこと
竹山は,被告人がカセットテープを投げた後,(被告人が竹山に襲いかかったと述べず)そのまま竹山が「玄関の方へ素早く逃げていきました」「その直後,○○さんはカメラを持って逃げる竹山さんの後を追い近づいていったのです」と述べる(6~7頁)。
この点で,河地と竹山の供述が当初は齟齬していたが,後に両者の供述は一致するようになった。竹山と河地の間に偽証の通謀があったことの証左である。

イ 当甲5
(ア)被害届の不存在
河地は,自らも被害届を行った旨述べるが(1頁),これが存在しないことは検察官が当審第1回公判で述べた。すなわち,河地か検察官が虚偽を述べたことは明らかである。
(イ)2回目の写真撮影の態様
河地は,被告人が「立ち上がりテーブルの上のカメラを持って竹山さんと私に向けてシャッターを切り容姿を撮影しだしたのです」「竹山さんの顔のほんの前にカメラのレンズを近づけてシャッターを押し続け出した」(5頁),その後河地を撮影しようとしたので,書類で顔を隠した旨述べるが,そのような接写による竹山の顔面写真はフィルムに残されていない。フィルムに残っているのは,竹山が席を立って応接室入り口に向かいだした状況と,顔を隠した河地と並んでいる状況だけである。写真の写り具合から,被告人が座っていたことは明らかである。
河地は,後に,被告人が座っていた旨述べるに至ったが(当弁2・4頁)河地が被告人の撮影状況(竹山が席を立った理由を合理化する事情)を誇張していたことは明らかである。
なお,河地は,当弁2において,誤解を与えるような説明をしたとか,読み聞けで間違いに気づかなかった旨供述の変遷の理由を述べるが,その程度の理由で「合理的」とされるのであれば,被告人が調書の記載について同様に述べた場合の通常の扱いと比べ,あまりに偏ぱ・不公平である。
(ウ)カセットテープが投げられた方向
河地は,被告人が,竹山めがけてカセットテープを投げたとは述べておらず,「確か,左手にカメラを所持したまま応接セットのテーブルの東側に立っている竹山さんの足元に向けて」投げたと供述している(7頁)。なお,「の足元」の部分は,手書きでの訂正であり,河地が特に申立てたことが明らかである。なお,河地は,「竹山さんがよけたため当たらず」(7頁)と述べている。
このように,もともと河地は,間接暴行とも取れる供述をしていたのであるが,後にその供述が変更されたことは,原審において明らかとなっている。この間の供述の変遷に合理的な理由は与えられていない。むしろ,竹山の供述と矛盾しないように供述の摺り合わせ工作がなされたことを窺わせるものである。
また,本来竹山に命中する軌道で飛んだこととされているが,この点は,当弁2・6頁において「竹山がそのようにして体を動かさなかったとしても,カセットテープは,竹山の体には当たらなかったのではないかと思います」と変更されている。河地が当初,竹山の被害を誇張して述べようとしていたことは明らかである。
(エ)割れた音を聞いた直後に玄関に向かったとする点
河地は,壷が割れた「音がした直後に私は何事が起きたのかと思い,玄関の方へ向かいました」と述べる(8頁)。
仮に川地が,被告人が「竹山に掴みかからんばかりの形相で向かっていった」(8頁),竹山の様子は書棚に阻まれて見ることができない(客観的事実),何かが割れる音を聞いたとすれば,この経過から,音がした直後に様子を窺いにいくことは合理的かつ自然である。
しかし,実際は,民事訴訟における証言で,河地は,ノートを鞄にしまい,コートを着込んでいたのであって,河地のシナリオは全く変わったものとなってしまっている。河地が,実際には竹山に身の危険がないことが分かっていてのんびりしていた事実を隠し,意図的に緊迫感を演出していたことは明らかである。
なお,この点の不自然さが,民事訴訟でどのように認定されたかは,当審において弁護人請求にかかる判決書の証拠調べが行われなかったため明らかにしないが,民事訴訟の裁判官の尋問における追及姿勢と公正な態度からすれば,その結論は察するところ明らかであろう。

イ 当弁2
(ア)カセットテープの軌跡
河地は,カセットテープの軌跡について,「下の方に向けて叩きつけるように投げた」,「全部一体のまま飛んでいって,竹山の体には当たらず,そのすぐ左後方の床に落ちて粉々に割れ」た,竹山が避けなくても命中しなかった旨述べている(6頁。なお当弁1も同旨)。
これは,間接暴行を意味する供述であって,直接暴行訴因とは明らかに矛盾する。床に当たったケースの破片は,惰性で後方に向かうのであり,その場にとどまることがない。竹山のすぐ左後方の床に破片が散らばっていたのであれば,ケースは,竹山よりもかなり前方に投げつけられなくてはならない。
後に,河地がこの点に関する証言をぼかし,「竹山の身体めがけて」という公訴事実と矛盾しないようにしていったことは,原審において明らかである。
(イ)竹山の後ずさりについて
河地は,竹山が退出した状況について「慌てて○○から逃げるように,体を半身の状態にして後ずさりながら部屋の出入り口から外に逃げていきました」と述べる(8頁)。
ところが,河地が具体的にこのような状況を供述できないこと(目撃が不可能であること)は,原審において明らかにしたとおりである。
その後,河地は,民事訴訟において,客観的事実に合わせて供述を変更していたが,以前,このような虚偽供述をしていた事実が消えるわけではない。
ウ 当弁1
民事訴訟での証人尋問によって,河地は,竹山の後ずさりについて,決定的な供述の変更を行った。従来,目撃したと供述・証言していた竹山の後ずさりを,目撃していなかった(目撃できなかった)ことを告白したのである。
河地は,「私の位置からは,隣の部屋もそれから出入口のところも見える状況ではなかったので,そこは見えておりません。」「私の左側に書棚か何かがありまして,それで出入口が見えるような状況ではなかったということです。」と証言する(6頁)。
河地は,また,検証調書記載の,「この時,開いていた状態のドアは見えましたが,出入口までは見えませんでした。」との説明について,「(本件事件のときではなく)検証のときに開いた状態のドアの一部が見えると,そこは見えるということでお話をいたしました。」と証言する(7頁)。
刑事訴訟における河地の証言では,「ドアを通っていったときも,斜めを向いたままですか。」と弁護人が質問したのに対し,「ええ,そのままの状態だったと思います。」と証言し,「その点は御自身が見られたと思うと。」との弁護人の質問に対して,「ええ,そこまでは見てます。私は。」と証言していた。
河地は,刑事訴訟において,明らかに偽証をしていたのである。
果たして,河地の証言が何故このような変遷をすることになったのかといえば,言うまでもなく,原告事務所において河地が位置していた左側に,書棚が存在しているという客観的事実があるからである。
民事訴訟において河地が,「書棚があるが故に見ることができない」と述べるのは,上記理由を裏付ける。
ところで,河地は,自分の左側に大きなものがあったことを一度も忘れたことはない,とも証言する(16頁)。
この証言は,河地が刑事訴訟において,書棚の存在を忘れて,見えないはずのものを見たかのように証言したのではない,と印象付けるためにしたものであることは言うまでもない。
しかし,被告人がカセットテープを投げたその4日後である平成16年1月27日に,河地自身が書いた原告事務所の図(当弁3)には,「一度も忘れたことがない」という書棚の記載が完全に欠落しているのである。
刑事訴訟においては,証人尋問の最後に,河地証言が物理的に認識不可能な竹山の動きを供述していることに気づいた検察官が,「若干移動して見たかも知れないということなんですか」と誘導し,「はい。そのへんは,ちょっと瞬間的にこうやった(体を横へ動かした)のかもわかりませんけども」と証言しているのであるから,見えなかったことを前提とする民事訴訟における河地の弁解とは明らかに矛盾しているのである。
このように,河地は,刑事事件において,竹山供述と歩調を合わせるために,客観的には見えないものを見たと供述してきたことについて,民事訴訟では一転して告白して弁解したものの,その弁解は全く破綻している。
3 結論
以上にみるとおり,当審裁判所が取調べた証拠のみによっても,竹山・河地の供述に多くの不合理な点・自己矛盾及び相互矛盾・説明不能な変遷があることが明らかになった。かかる状況で,竹山・河地の証言の信用性を肯定することは,公平かつ中立な裁判所が証拠に基づいて事実を認定する民事訴訟においてはもちろんのこと,刑事訴訟であっても,さすがに無理というべきである。
そこで,原審及び当審において取調べた証拠によれば,以下に述べるとおり,直接暴行訴因については,①竹山が公務の執行中であったとはいえない,②直接暴行を認めるに足りる証拠がない,③被告人に故意がないというべきである。
被告人は,直接暴行の訴因について,無罪である(なお,刑法95条に原判決の後の変更があることに留意されたい)。
(1)①証拠上,竹山が公務を執行中であったとは認められない
竹山が公務性を執行中であったか否かについては,席を立った時点で調査(推計等の説明)を続行する意思があったとする竹山の供述が信用できない以上,不明であるというべきである。
むしろ,竹山は,調査の経緯や推計に関する原告の具体的な抗議を記載した文書を読んだものの,その内容を検討しなかったことを自認している(竹山証言・33,36頁,当審弁4・28頁)のであるから,原告に対して,積極的に何かを説明しようとする意思,あるいは原告が既に文書で明らかにした質問内容に回答しようとする意思はなかったというべきである。
(2)②直接暴行の事実は証拠上認められない
竹山及び河地の供述が信用できない以上,竹山及び河地が述べるような直接暴行を認めるに足りる証拠がない(実行行為の証明がない)。
(3)③証拠上,故意は認められない
被告人は,調査(推計等の説明)のやりとりを録音することを述べたところ,録音に竹山が同意しない以上,テープを投げた時点で竹山は調査を打ち切って帰るつもりであると認識していた。従って,被告人には,公務性の認識,公務の執行を妨害する認識がない。
また,被告人は,テープをパーティションの角に向けて投げるつもりであった。被告人がどこを狙ってテープを投げたかを示す証拠は,他に存在しない。従って,被告人には,暴行の認識がない。
すなわち,公務執行妨害罪の構成要件的故意は,証拠上認められない。
第2 間接暴行訴因についての弁護人の意見
 1 従来述べた弁護人の意見の概要は次のとおりである。
(1)原審において検察官が本件において立証対象を直接暴行訴因に限定したこと,これを前提に被告人・弁護人が防御を行ったこと,従って,直接暴行訴因に対して間接暴行事実の認定は法律上許されず不可能であること
(2)前記(1)の経緯から,検察官が当審で行った間接暴行訴因の追加は違法であり,本来却下されるべきものであること(この点について,大林主任弁護人が述べた「異議」は,責問権を放棄しない趣旨のものである)
(3)訴因変更の違法を前提として,またその違法がなかったとしても,原審において直接暴行訴因についての証拠として取調べられた関係証拠を,当審において間接暴行訴因に流用することには異議があること
(4)前記(3)と同様の理由により,原審で述べた弁護人の証拠意見,就中「同意」という訴訟行為の効果は,当然ながら当時の直接暴行訴因との関係のみで認められており,当審において,間接暴行訴因との関係で法326条の同意書証として取り扱うことは許されないこと
2 裁判所がなすべき処置
弁護人の意見としては,従来述べたとおり,訴因変更は違法である。
さらに,裁判所は,前回公判期日において,弁護人請求の証拠に関する暫定的な所見として「不必要」と述べ,判決を行う意向を明らかにした。仮に,裁判所がこのような態度を維持するのであれば,控訴審で初めて追加された訴因について,被告人が第1審において,証拠制限がない状態で防御を展開する機会を奪ったに等しいから,審級の利益を害する点も,訴訟手続上の違法原因として追加するものである。
したがって,判決においては,間接暴行訴因の追加の違法を宣言し,間接暴行訴因については刑事訴訟法338条4号に基づき,控訴棄却の判決をなすべき筋合いである。
しかし,後に述べるように,間接暴行訴因についても,被告人が有罪であるとの証明はないに帰するから,被告人から再度の訴追の負担を取り除くべく,無罪の判決をなすべきである。
3 間接暴行訴因についても被告人は無罪であること
以下,間接暴行訴因が実体審理の対象となるとして,弁護人の意見を述べる。
(1)直接暴行訴因について取調べた証拠を間接暴行訴因に援用できないのであれば,間接暴行訴因は証明不十分であり,犯罪の証明がないから,被告人は無罪である。
(2)直接暴行訴因について取調べた証拠を間接暴行訴因に用いる場合であっても,直接暴行訴因についての結論(第1の3)で述べたように,公務性及び故意の証明がないから,被告人は無罪である。
なお,間接暴行訴因の事実を認定しようとする場合には,竹山・河地の全供述が,その反対証拠として機能すること,被告人の供述をつまみぐいする(テープを投げた態様のみを採用し,経過や動機やテープの狙いに関する被告人の供述を排斥すること)ような態度は不公正であることを付言する。
以上

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