« 〈控訴審裁判を終えて〉 | トップページ | 正当防衛2 »

正当防衛1

<はじめてのかたは、トップページからお読み下さい>

被告である国の答弁書は、竹山財務事務官がつぼを割った行為は、正当防衛だというのである。
厚かましい主張であった。
正当防衛といえば、刑事事件で耳にする程度で、民事では一般に、その規定の存在さえほとんど知られていない。
が、民法にも、規定はある。
民法720条は、「他人ノ不法行為ニ対シ自己又ハ第三者ノ権利ヲ防衛スル為已ムコトヲ得ズシテ加害行為ヲ為シタル者ハ損害賠償ノ責メニ任ゼズ」と規定しており、これが民法の正当防衛である。

平成16年1月23日の状況について、同答弁書は次のように記していた。
調査結果の説明につき、署長の前で説明すると言った、言わないでもめたため、原告は竹山特官と原告との会話が録音されているテープを再生するとともに、竹山、河地両特官に向けてカメラを構え、2、3回シャッターを押した。
両特官が写真の撮影をやめるよう申し入れたところ、原告はいったんは撮影をやめたが、再びシャッターを押し始めたため、竹山特官は、カメラを避けるため立ち上がり、場所を移動した。その際、原告も河地特官もその場に立ち上がった。
その後携帯電話の番号を教えた、教えてもらってないでもめると、嘘を言うなと大声を出してカセツトテープ数本を竹山特官めがけて投げつけた。
原告はカセットテープを投げつけたあと、竹山特官に掴みかからんばかりに迫ってきたため、竹山特官は、原告に危害を加えられるかもしれないという強い恐怖心を感じ、危害を避けるため、後ずさりしながら応接室を出ようとした。
竹山特官が応接室を出た際に、花瓶ないし壷が台から転落して破損したこと、竹山特官が応接室から出るときに、予期せず体の左後ろ側が応接室出入り口に置かれてあった観葉植物様のものに触れたことからすると、竹山特官がその観葉植物様のものに触れたことがきっかけとなり、その観葉植物様のものが花瓶ないし壷に接触して、この花瓶ないしは壷が床に落ち、割れたものと思料される。
原告は、その後も大声を出し、両特官の写真撮影をやめないため、両特官はこれ以上の説明は不可能と判断し、調査を打ち切って原告事務所を立ち去った。

上記のとおり、竹山特官は、原告の暴行から身を守るための行動の結果、誤って原告事務所に置かれていた花瓶ないし壷を床に落とすに至ったものであるから、民法720条の正当防衛に該当すると主張する。
そして、
①他人の不法行為の存在として、原告が竹山特官に対してカセットテープを投げつけ、更に掴みかからんばかりに迫ってくるという暴行を行っている
②自己または第三者の権利を防衛する行為であることとして、原告から危害を加えられるかもしれないという恐怖を感じ、これを避けるために後ずさりしながら応接室を出ようとした際、観葉植物様のものに触れたのであるから、竹山特官の行動は、自己の身体の安全を守るためにした行動である
③やむを得ずとった行動であることとして、竹山特官は、原告に背中を見せて逃げたのでは何をされるかわからないため、やむなく、後ずさりしながら応接室を出ようとしたところ、体の左後ろ側が観葉植物様のものに接触し、結果的に花瓶ないしは壷が台から床に落ちて割れたものであるから、自己の身体の安全を守るためにやむを得ずとった行動である
ことを挙げ、竹山の行為は正当防衛として評価され、加害行為の違法性は阻却される、と主張しているのである。

全く、あきれ返った主張であった。
まず、カセットテープは、竹山財務事務官にめがけて投げたのではなく、パーティーションに投げつけた。
携帯電話の番号を教えたか、教えてないかの口論の後、竹山財務事務官は背中を向けて、応接室から玄関に通ずる事務室の方へ立ち去った。
その時、
「ガッシャーン」
という大きな音が聞こえたため、
「何をしたんだ!」
と、私は反射的にカメラを手に持ち、事務室の方へ駆けつけた。
見ると、玄関の方を向いた竹山財務官の足元に、割れたつぼの破片がかたまっていたため、
「なぜ、割るんだ」
と、私は割れたつぼの破片を指差し、竹山財務官を問い詰めた。
すると、竹山財務官は、
「私、割ってませんよ」
と、人を小馬鹿にしたような態度で否定するなり、そのまま玄関の方へ逃げだしたのである。

その件で、名古屋中税務署へ電話をかけても、署長や総務課長は居留守を使って話し合いにも応じなかった。文書で抗議しても黙殺し、謝罪や弁償はもとより、何らの弁明もしなかったのである。

正当防衛などという立派な違法性阻却理由があるのであれば、まず、竹山財務事務官がつぼを割った事実を否認するはずがない。
つぼは割ったが、お前が暴行してきたからであり、自分には責任がないと、当然その場で主張するはずである。同じ現場にいた同僚の河地財務事務官も、一緒にその場で正当性を主張して弁護するのが筋ではないか。
また、正当防衛であれば、逃げ帰った竹山、河地両名から事情を聞いた署長や総務課長が、なぜ、居留守や黙殺という態度をとらなければならないのか。
私の電話や文書での抗議に、そのような態度は取らず、つぼ破損の正当性を主張するだけである。
何度抗議しても無視するので、つぼ破損の現場写真を送って、このまま黙殺すれば訴訟を起こすと警告までしたのである。

それらの抗議を一切無視し、裁判のときまで正当防衛の主張をしなかったのはなぜか、ということである。
それは、正当防衛を主張できるだけの事実を、この民事裁判のときまでに作り上げる必要があったからにほかならない。

               

               

|

« 〈控訴審裁判を終えて〉 | トップページ | 正当防衛2 »

コメント

初めてのコメント欄makuriと申します。
毎日拝見させて頂いております。
凄いの一言です!

関係性のない記事にTBさせて頂き申し訳ございません。
不都合と思われた時は、お手数ですが削除して下さい。
今後とも宜しくお願いします。


投稿: makuri | 2006年10月 7日 (土) 01時22分

コメントありがとうございます。貴ブログも毎日拝見しております。

投稿: 管理人半兵衛 | 2006年10月 7日 (土) 08時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/145030/3685965

この記事へのトラックバック一覧です: 正当防衛1:

« 〈控訴審裁判を終えて〉 | トップページ | 正当防衛2 »