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植草一秀氏の公判に思う

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12月20日植草一秀氏の第二回目の公判があった。
当日の目撃者の証人尋問に関しては、すでにいくつかのブログで疑問点が指摘されているので、重複を避け、私は次の二点だけ指摘したい。

第一に、利害関係のない目撃者が他人の裁判の証人として出てきたことの不自然さである。

通常、事件当事者と全く関係のない第三者が裁判の証言台に立つことなどありえない。当事者とよほど深い関係がなければ、証人として裁判に出ることなど考えられないのである。

最近は、空き巣や器物損壊等の被害にあっても、警察は隣家への聞き込みを一切しない。被害者がいくら強く求めても、警察は頑なにそれを拒否する。
聞き込みをしても、かかわりを嫌って情報の提供を拒む上、仮に情報が得られても、証人として証言してくれることは100%ないからだという。
変に追及すると、犯人扱いにされたといって、名誉毀損で逆に訴えられることもあるからだともいうのである。

私自身、仕事の関係で警察官とはよく接触するが、知人の警察官も、情報不足をいつも嘆いている。
昔は、犯罪情報が市民から警察に多く寄せられたものだが、最近は、全く情報が入ってこないという。無関心で、自分に何らかの危害、不利益が及ぶのを極端に嫌う風潮が強く、どこの警察署も情報不足で困っているという。
それほど人々は、自分に関係のないことにかかわりを持つことを嫌がるのだ。

鑑定人として裁判の証人になる機会の多い私たち不動産鑑定士でさえ、証人として証言台に立ちたがる者は1人もいない。
訴訟関連の鑑定では、いかに証人として呼ばれないようにするかということに注意を払って価格や賃料を決めている傾向が強いし、信託銀行や大手の鑑定会社では、証人として呼ばれた場合の時間やわずらわしさによる採算面で訴訟関連の仕事の依頼は、最初から拒否しているところも多い。

刑事裁判の訴訟ともなれば、公判当日の時間だけでなく、事前の準備段階における時間的な負担も多く、証言内容によっては、偽証罪で告訴、告発される危険性もある。何のメリットもない微罪事件でわざわざ証言台に立つ者など、現実には一人もいないといっていい。

以上のような現実から判断すると、証人の証言内容以前に、今回の公判における目撃者が全くの第三者で、ほんとうに事件を目撃していたのかどうか、大きな疑問を抱かざるを得ないのである。

せめて反対尋問で、証人である目撃者を追及して、職業、事件当日の行動、行き先等を明らかにしてほしかったという思いが残る。

第二に、被害者の
下着が証拠として提出されているという点である。
強姦事件ならばともかく、通常、痴漢程度の微罪事件で、被害者の下着が証拠保全されることなどありえない。
被害者の心理状態からみても不自然だし、警察の捜査方針からみても不自
然である。

女性の下着というものは、すぐに洗濯する性質のものであるから、それが証拠保全されるということは、被疑者が犯行を強く否認することが事前に予測できなければならないし、被害女性の確固たる協力が事前に期待できなければならない。

被疑者である植草氏が犯行を強く否認することが事前に予測でき、被害女性の確固たる協力が事前に期待できたということが何を意味するか、わざわざ私が言わなくても、その答えは明らかだろう。

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コメント

こんにちは。
素晴らしい洞察力ですね。
私も、先日の公判に登場した目撃証人は、その証言内容と一連の経緯から、検察側が用意した「仕込み」だと思っています。
ただ、私が判断を下せたのは、マスコミ以外の、植草氏を支援する方々からの情報があってのことです。
それにしても、マスコミ関係者の態度は、傲慢無礼の極みに達しています。

投稿: スパイラルドラゴン | 2006年12月23日 (土) 00時12分

コメントありがとうございます。
植草氏の事件は、細かい点を検討するまでもなく、不自然極まりない点があまりにも多いように思います。
権力側の垂れ流しであるマスコミの偏った報道に惑わされることなく、真実を冷静に見つめる目を国民は養わなければならないと思います。

投稿: 管理人半兵衛 | 2006年12月23日 (土) 00時50分

交通事件や少年事件で業務上過失傷害や傷害致死を危険運転致死や殺人に格上げすべきとか厳罰化が叫ばれる中、病人を治療するべくなぜ強制わいせつ罪で訴えなかったのかが気になる、とありました。

投稿: 某所で書かれていましたけど | 2006年12月23日 (土) 03時45分

確かに素晴らしい洞察だと思い、仲はいいが意見対立の多い知人に話したら、知人曰く『証人はその場で制止しなかった自分を愧じて、証言台に立ったと言ってる(男気のある人だ)。又繊維鑑定も痴漢裁判が多い現在、下着の証拠保全を頼むのは特別な事じゃない(植草氏と知ったからには特に)。植草氏は間違って京急下りに乗ったが、女子高生も証人も通常の通学通勤経路である事の意味する所は?お前はマスコミが権力に恫喝されてその走狗と成り果てたと怒ってたが、本間会長の件ではスッポンのように喰らいつき、本来の浄化機能を果たした(お前等は妄想畜だ!)。』と捲くし立てた。「阿呆、お前こそ孟宗竹だ!」と喧嘩別れしたが、分別の無い馬鹿が多くて困る。

投稿: 22:08 | 2006年12月24日 (日) 12時13分

コメントありがとうございます。
異業種の交流会を定期的に行っているのですが、先日その忘年会で植草氏のことを話してみました。
すると、その場にいた全員が、陰謀だ、冤罪だなんてとんでもない。ただの痴漢事件だ、と言って私の話を冷静に聞こうともしませんでした。その主張は、新聞やテレビ等の報道による知識だけに基づくもので、あらゆる角度から真実を追求しようとする姿勢が全くなかったのです。
この異業種交流会のメンバーは、弁護士、公認会計士、税理士、中小企業診断士、司法書士、一級建築士等からなり、実務、社会経験が豊富で、博学の上、理論家も多いのです。
このメンバーからしてこの程度ですから、一度濡れ衣を着せられた相手に対しては、人々は先入観からなかなか抜け出せず、正しい判断をしないものだと痛感した次第です。


投稿: 管理人半兵衛 | 2006年12月24日 (日) 17時51分

上のコメントを読んで・・・

私もリアルの友達なんかに、植草氏の件も含めネットで見てこれは信頼できそうだと思ったようなことをいろいろ話してみても ほとんどの人はまるで信じるどころか話を聞こうともしないですね。
大半の国民はテレビ・新聞こそが真実の報道だと信じて疑いません。
権力者どもの不正を追求することもむろん大事ですが、まずはマスコミに真実の報道をしてもらえるようにしていくことが先決かなぁという気持ちです(^。^;;

投稿: ゴーヤン | 2006年12月30日 (土) 00時43分

全く同感です。

投稿: 管理人半兵衛 | 2006年12月30日 (土) 02時57分

>『痴漢程度の微罪』

あなたを軽蔑します。

投稿: 管理人最低 | 2007年1月29日 (月) 01時55分

拙ブログを詳細に読んでいただき、ありがとうございます。
実は、当記事を投稿する際、「痴漢程度の微罪事件」という表現が誤解を招くのではないかと考え、削除するかどうか迷ったものです。
しかし、木を見て森も見る読者ならば詳細な説明をしなくても、この表現の意味をご理解いただけるものと考え、敢えて掲載したのです。

世の男性にとっては、傷害や恐喝のような強力犯罪より、痴漢や猥褻のような性犯罪の方が、法定刑の軽重にかかわらず、卑劣な恥ずべき行為だという点で、認識が共通していると思います。
私が「痴漢程度の微罪事件」という表現を使用したのは、警察の捜査方針の観点からであり、痴漢行為を軽視しているわけではありません。

警察は、すべての事件を平等に扱って、捜査しているわけではありません。殺人や強盗のような法定刑の重い事件と、罰金刑の規定のある法定刑の軽い事件では捜査のあり方が全く違うのです。法定刑の軽い、いわゆる微罪事件では、被害届け自体を受理しないことも多く、たとえ受理しても、捜査さえしないのが現実なのです。
そういった法定刑の軽重による現実の捜査のあり方から、罰金刑のある痴漢行為を微罪事件に分類し、警察等の執拗な証拠保全のやり方に、疑問を投げかけたのです。

コメントの内容や匿名の表現から察しますと、痴漢被害の経験を持つ女性の方のようにお見受けしますが、そのような嫌な体験をなされた方のご意見としては、ごもっともな意見だと思います。

投稿: 管理人半兵衛 | 2007年1月29日 (月) 13時12分

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