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服役男性の無実判明

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ひどい話である。

確たる証拠がないのに、自白に追い込んで容疑者を逮捕し、無実の罪で3年近くも服役させるとは。
真犯人が自供したから無実が判明したが、真犯人が出なかったら、濡れ衣を晴らすことも適わなかっただろう。
謝れば済むという問題ではない。


富山県警は19日、02年に起きた強姦(ごうかん)事件などで懲役3年の実刑判決を受けて2年9カ月服役した富山県の男性(39)が無実だったと明らかにした。県警は同日、この事件の容疑を認めた松江市西川津町、無職大津英一容疑者(51)=別の強姦罪などで公判中=を強姦容疑などで再逮捕。富山地検高岡支部は男性の裁判のやり直しのため、富山地裁高岡支部に再審請求する。

県警は02年4月に、当時氷見市内でタクシー運転手をしていた男性を強姦未遂などの疑いで逮捕、翌月に別の強姦容疑で再逮捕した。男性は起訴され、同年11月に懲役3年の判決を受けて確定。一昨年1月に仮出所した。

県警によると、目撃証言をもとに作成した似顔絵や被害者の証言などから、この男性が浮上。男性は逮捕前の2日間の任意の取り調べに容疑を否認していたが、3日目に容疑を認めたため、客観的な証拠がないまま逮捕した。男性は公判中も一貫して罪を認めていたという。

しかし、昨年11月中旬、強制わいせつ容疑などで逮捕された大津容疑者が富山県内の2事件についても「自分がやった」と供述。事件現場に残された靴跡が大津容疑者のものと一致したほか、1件は男性宅からの電話の発信時刻と犯行時刻が近く、物理的に男性の犯行は難しいことが新たに判明したという。

県警によると、2件の事件現場にあった靴跡は、男性の靴のサイズより大きかったという。

小林勉・県警刑事部長は「足跡については当時は疑問に思わなかった。男性の逮捕は客観的証拠が得られておらず、裏付け捜査が不十分だった。重く受け止め再発防止に努めたい」と話した。

佐野仁志・富山地検次席検事は「様々な証拠を総合的に判断して起訴したが、振り返ってみると、男性を犯人と特定する客観的な証拠はなかった。基本に忠実な捜査を怠り、客観的な証拠に対する問題意識が足りなかった」と話した。

県警によると、男性の現在の所在は分からず家族に謝罪したという。

                          2007年01月19日20時56分asahi.com


任意の取り調べに2日間容疑を否認していたが、3日目に容疑を認めたため逮捕したということだが、容疑を認めなければ何日でも厳しい取調べが続けられたものと想像できる。
この男性は、いくら否認しても、被疑者の言うことなど全く信用しようとしない警察や検察の体質に絶望したのだろう。

人を人として扱わぬ厳しい取調べは私も経験したし、無実でもその厳しい取調べや嫌がらせに耐えきれず罪を認めてしまう現実は、留置場で私と同部屋にいたU氏の実例
で実感している。

実際にやっていなくても、警察や検察相手に無実を貫くことは並大抵のことではない。そのことを、この事件はよく物語っている。

取調べの関係者や警察、検察の責任者は、謝罪や法定の賠償程度ではなく、その男性と同じように3年間刑務所にぶち込んで反省させねばなるまい。


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コメント

>取調べの関係者や警察、検察の責任者は、謝罪や法定の補償程度ではなく、その男性と同じように3年間刑務所にぶち込んで・・

大賛成です!
また、こういった事件に限らず、一般に公務員はその公務中に起こした損害等に対して個人の責任を問われないという法律もおかしい。
ごく軽微なうっかりミス以外は絶対、個人としての罪を問うべきじゃないかと私は思いますね。

投稿: ゴーヤン | 2007年1月20日 (土) 10時21分

ゴーヤンさん、コメントありがとうございます。
「一般に公務員はその公務中に起こした損害等に対して個人の責任を問われないという法律もおかしい。
ごく軽微なうっかりミス以外は絶対、個人としての罪を問うべきじゃないかと私は思いますね」
というご意見、もっともだと思います。

公務員の不祥事で裁判を起こしても、一般国民は自費で闘わなければなりませんが、国は裁判の遂行に必要な人員、費用を税金で賄うわけです。そして、勝訴した場合の賠償金も、国民の税金から払われるわけですから、問題を起こした公務員は痛くも痒くもないのです。

もちろん、国等はその公務員に対して求償できる旨の規定はありますが、実際にはほとんど機能していません。
公務員に対する過保護状態の現行制度が、官僚をのさばらせている大きな原因だと思います。

投稿: 管理人半兵衛 | 2007年1月20日 (土) 10時44分

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