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愛知県との仁義なき闘い:その3

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地価公示の分科会の幹事である北沢鑑定士から電話があった翌日には、かっての職場の所長である木田鑑定士から電話があった。

内容は、北沢鑑定士と同じであった。
「わしが謝りについて行ってやる」
というのである。
北沢鑑定士に説明したように、侮辱されたのは私の方で、私こそ、土地利用調整課の人間に謝ってもらわなければならない立場だと訴えた。
「あんた、謝れんなんて、いつからそんなにえろうなったんだ!県の偉いさんに楯突ける立場か!」
と、怒ったように言い、またしても人の話を聞こうともしなかった。
「あなたにそんなこと言われる筋合いはありません」
私も腹が立ち、それだけ言って電話を切った。

その翌日には、県部会長の森田鑑定士から同じような電話があり、それも断ると、また、鑑定協会の他の役員が入れ替わり立ち代り電話をかけて謝れと言ってくる始末だった。

そんな時、税理士も兼業する尾藤鑑定士が、話がしたいから時間をとってくれないか、と電話をかけてきた。
会うと、彼は、私に言いたいことをすべて言わせた。
私の話をじっくり聞いた後、こう言った。
「君のいうとおりだ」

彼は、続けた。
「県とのトラブルの件も、君の方が正しいと思う。鑑定協会の役員の対応も、本来は筋違いだ。協会の役員なら、会員である鑑定士の味方をせにゃいかん。君のいうように、協会の役員が一方的に県の肩を持つのは、間違っとる」

言葉をきってから、話を続けた。
「しかし、君は若いからまだわからんかも知れないが、役人というものは、そういうものなんだ。それだけ強い力を持ってるんだよ。協会の役員で県の役人に向かって正論を吐ける者はいない。わしだって、県の役人から直接言われたら、断れるかどうか自信がない。どんな汚い手を使ってでも、圧力をかけてくる。やつらはそういうものなんだ。わしも若い頃、税務署の職員にちょっと楯突いただけで、とんでもない目にあった。仕事はなくなるわ、税理士会の連中からは疎まれるわで、総スカンを食った」

彼は一息つき、しみじみ言った。
「悪いことは言わん。ここで意地をはらんで、適当に謝ったふりしとけ。そうすれば時間が経って、そのうち、何にもなかったことになっていくで」

尾藤鑑定士は、話のわかる反面、愛知県の鑑定協会の役員の中では、随一役人に媚びない頑固者で有名だった。その彼も、謝った方が身のためだと言う。

「考えさせてください」
権力の恐ろしさを垣間見る思いがした。どうしようもない不安感はぬぐえなかったが、私の腹は決まっていた。
考えさせてくれ、というのは、決断を決めかねているからではなく、親身になって私のことを心配してくれる尾藤鑑定士への心配りからだった。
言下に断っては失礼に当たると思ったのだ。

翌日、尾藤鑑定士に電話をかけた。
私の身を案じてくれたことに感謝の意を表わし、仕事がなくなろうが、鑑定士を廃業しようが謝らないということを、強くかつ丁寧に伝えた。

彼は、私の返事を予想していたかのように、電話の向こうで、うん、うんと頷いているのがわかった。

謝罪を全面的に断った私に対して、県の下級役人の横暴は、一段とエスカレートした。

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受信: 2007年1月10日 (水) 02時52分

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