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無罪判決ニュース

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二件の無罪判決ニュースがあった。

半年拘置の女性無罪 証拠の筆跡「別人」 詐欺事件で札幌地裁判決  

札幌市内の知人男性(63)から二百万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた無職女性(32)の判決公判が十五日、札幌地裁であり、井上豊裁判長は「犯罪の証明がない」として、女性に無罪(求刑・懲役二年)を言い渡した。

判決などによると、二人は札幌・ススキノのスナックの従業員と客として知り合った。二○○二年十一月、男性は「女性にスナック開店資金として、二百万円を詐取された」と道警に被害届を提出した。札幌中央署は昨年四月、詐欺容疑で女性を逮捕し、同年五月、札幌地検が起訴した。

女性は捜査段階から「二百万円を受け取っていない」などと一貫して無罪を主張してきた。

公判では、二百万円の借用証書とされた書類の筆跡が争点となった。検察側の鑑定は「女性のものである可能性が高い」としたが、弁護側は「女性が書いたとは判定できない」とする鑑定結果を出していた。

判決理由で、井上裁判長は書類の筆跡について「女性でない人が書いた可能性が高く、男性の証言にも不自然な点がある」と指摘した。

女性は昨年四月から十月まで約六カ月間、拘置されており、弁護人の秀嶋ゆかり弁護士は「被害者の供述に頼った捜査の在り方には非常に問題がある。逮捕、拘置とも極めて不当」と強調した。

札幌地検の長崎誠次席検事は「判決内容を検討して、結論を出したい」と話している。
                                        2007/02/16

名古屋市元局長ら無罪 清掃談合の競売入札妨害罪  

名古屋市発注の道路清掃事業をめぐる談合事件で、業者側に予定価格に近い金額を漏らしたとして、競売入札妨害罪に問われた市の元緑政土木局長村瀬勝美被告(60)と元道路部長長崎弘被告(54)の判決公判で、名古屋地裁(伊藤納裁判長)は16日、両被告に無罪を言い渡した。

判決理由で、伊藤裁判長は「予定価格を漏らしたことを、村瀬被告らに報告し、了承されたとする(有罪が確定した)市職員の供述は、客観的事実と整合せず、不自然で信用性に重大な疑問がある」と述べた。

求刑は村瀬被告が懲役2年、長崎被告が懲役1年10月だった。

両被告は「(予定価格漏えいの)共謀の認識はなく、部下からも報告は受けていなかった」と無罪を主張していた。
                                    
2007/02/16


いずれも、関係者の供述のみに頼った捜査で、警察、検察の捜査のあり方を問われなければならない事件である。
両事件とも、被告は被疑事実を否認し、無罪を主張していた。関係者の供述以外、確証がないにもかかわらず、安易に逮捕し、自白を強要して起訴に追い込むやり方が、冤罪を生む土壌になっている。


特に名古屋市発注事業をめぐる談合事件のように複数の者が関わる事件では、実際に犯行に関与していない者が関係者の虚偽の供述で犯人扱いにされてしまうことが現実には往々にして起こる。
捜査当局の抱いた疑念により、否認していても事実関係を詳しく調査せず、無実の者が
犯行に関与したように他の関係者の供述を、厳しい取調べを通じて都合よく引き出してしまうからである。

長年刑事裁判官を務めた渡部保夫氏も、極刑になる犯罪でも容疑者が容易にウソの自供をする可能性や実例を挙げる。
肉体的な拷問はなくても、孤立無援の密室内で、複数の取調官から長時間にわたって追及されると、疲労や緊張からの逃避、取調官への迎合など異常な心理状態に陥り、ウソの筋書きを作る、という仕組みだという。

容疑者本人でもそうだから、容疑者以外の関係者の証言は、虚偽供述が生まれやすい。

先ごろ、服役後に強姦の冤罪が判明した富山県の男性の事例を挙げるまでもなく、警察、検察は自白偏重の捜査を真摯に反省すべきである。
無罪判決を出すことを極度に嫌う体質にあって、果敢に判決を下した上記裁判官の正義と勇気に敬意を表するとともに、検察に対しては、見苦しい控訴を断念することを、切に要望
したい。

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