清瀬の警官刺殺事件の時効に思う
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公訴時効の成立を、どのように考えればいいのだろうか。
逃げおおせた犯人は、捕らえられる怯えから解放され、安堵の胸をなでおろすことだろう。
一方、犯人を取り逃がした警察官の心境は、どうだろう。逮捕できなかった無念さはもちろんあるだろうが、手がかりの薄い事件にいつまでも引きずられることから解放される安堵感も、心のどこかにあるのではないだろうか。
だが、被害者やその遺族は違う。
殺人事件のような凶悪事件では、長い年月を経て時効が成立しても、心の安らぎは覚えない。むしろ、捜査が終了することにより、残された遺族の悔しさ、いたたまれなさは、募るばかりに違いない。
そして被害者には、犯罪による直接の被害者だけでなく、警察の捜査による被害者もいるという事実にも目を向けなければならない。
本日時効が成立した下記事件で、警察による捜査被害をかねてから訴えておられた方がいるhttp://blogs.yahoo.co.jp/taxi_yma。
清瀬の警官刺殺が時効 拳銃の捜査継続
一九九二年二月、東京都清瀬市の警視庁東村山署旭が丘交番(当時派出所)で、大越晴美警部補=当時(42)、殉職で巡査長から特進=が刺殺され拳銃が奪われた事件は、十四日午前零時に時効を迎えた。警視庁は世田谷区の一家殺害事件、八王子市のスーパー強殺事件とともに三大重要未解決事件と位置付けて懸命の捜査を続けたが、目撃情報や現場の遺留品の少なさから難航し、犯人の逮捕はできなかった。
事件は、同年二月十四日午前三時十-十五分ごろ発生した。交番で一人で勤務していた大越警部補が首や胸を刃物で刺され殺害され、交番奥の待機室で倒れているところを新聞配達員が発見した。持っていた実弾五発入りの拳銃「38口径回転式スミスアンドウエッソン」のつりひもが刃物で切断され、ホルダーごと銃が奪われた。
警視庁は、現場周辺の素行不良者や、拳銃事件などの前歴者、大越警部補の仕事上の関係者などを幅広く捜査。最終的に土地勘を持つ拳銃マニアや、何らかの犯罪に拳銃を使用しようとした者の犯行だったとの見方を強めた。これまでに拳銃が使われた形跡はない。
十五年間に延べ約十三万八千人の捜査員が投入され、約三千百件の情報が寄せられた。二〇〇〇年二月に百万円の懸賞金が懸けられ、さらに〇二年二月からは三百万円に増額されていた。東村山署には十四日以降新たに連絡室が設置され、捜査員約十人が拳銃の発見に向けた捜査を継続する。
2007.02.14東京新聞
「最終的に土地勘を持つ拳銃マニアや、何らかの犯罪に拳銃を使用しようとした者の犯行だったとの見方を強めた」ということで、殺害事件の当日に猟銃所持許可申請を出し、その後あるトラブルから猟銃所持許可を取り消されたことに疑いの目が向けられ、別件逮捕。
警察官から口では言えないほどの暴行、屈辱を受け、職も失い、世間からは冷たい目を注がれる。特別公務員暴行凌虐行為で告訴し、国家賠償訴訟を提起しても、組織力で潰される無念さ。
7年間にわたって蒙った甚大な精神的被害は、時効の成立によって癒されるものではない。真犯人が捕まって、無実が証明されなければ、失った時間と名誉は帰ってこないのである。
時効が成立するこの15年間に、おそらく、この方以外にも、警察による捜査被害を受けられた方がいるに違いない。このような被害者のことは、報道さえされず、救済の手が差し伸べられることも全くない。
犯罪の直接の被害者や遺族だけでなく、こうした捜査による被害者の方々が、声も上げずに苦しんでいる現実もあるのだということを、忘れてはならないと思う。
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