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電子申告は誰のためか

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確定申告シーズンである。
2006年分の所得税の確定申告の受け付けが16日から始まっている。

国税庁は、混雑が予想されることを理由に、インターネットで申告できる「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」の利用を呼び掛けている。
東京国税局では、確定申告のキャンペーンキャラクターを務めるタレントが、パソコンを使って模擬体験し「意外と簡単。皆さんにも使ってもらいたい」とPRするなど、普及に努めているが、その利用率は、05年分所得税申告では0・2%未満にとどまっているという。


システム導入に多額の予算をつぎ込んでこの程度の利用率では、税金の無駄遣いというそしりは免れまい。

なぜ、電子申告の利用率が低いのか。
それは、納税者にとってメリットがほとんどないからである。
メリットがないだけならまだしも、デメリットが多すぎる。

まず、電子申告を利用率するのに、住民票のある市区町村の窓口で住民基本台帳カード(ICカード)を入手し、申請書を提出して電子証明書の発行を受けなければならない。
住基カードと電子証明書の発行に要する手数料が1000円程度必要で、それを取得するまで30分から1時間程度の時間を要する。

更に、所轄の税務署へ行って電子申告・納税開始届出書を提出しなければならない。この届出は、インターネットのホームページからでもできるが、余計な手間ひまがかかることだけは確かである。

それだけではない。
自宅などからパソコンで電子申告する場合は、住基カードを読み取るカードリーダーを別に買わなければならない。代金は4~5千円。この費用も、馬鹿にならない。

電子申告を利用すれば申告期間中は土日を含め24時間申告書の提出が可能であり、税務署にわざわざ行かなくてもよいから、大変便利だと強調しているが、もともと申告書の提出など郵送でもできるのだから、利便性など全くといっていいほど変わらない。

年に一回の確定申告のために、煩わしい手続きを行い、時間や費用を費やして、慣れない新しい制度を、わざわざ利用する者がいるだろうか。
電子申告の利用率が低いゆえんである。

税金の無駄遣いの典型のようなこのような制度を国税庁が導入したのは、むろん納税者のメリットを考えてのことではない。国税庁自身のメリットを考えてのことである。

国税庁などというものは、役所の中でも、一番信用できない組織ではないかと私などは思っている。

税務調査においては、非民主的なことが平然と行われているし、PRやパンフレットには知識の乏しい国民を欺くようなウソも多い。
第三者の立会いや調査内容の録音などを、税務職員は守秘義務に抵触することを理由に拒否しているが、厳密にはこれらは守秘義務違反に該当するものではなく、税務職員の違法な調査のやり方が外部に漏れることを防ぐための方策として利用されているのである。

私の税務調査の場合にも、カセットテープ等による録音は所得税法違反であり、判例もあるなどと担当の調査官が言っていた。調査官が口で言うだけでなく、国税局はそれを記載したパンフレットまで作っていたが、後で調べてみると、そのような判例はなく、ウソであることが判明した。

税務調査の際、調査内容の会話の録音を求めた納税者に対し、税務職員が守秘義務違反を理由に録音行為を許可しなかったことは違法とまではいえないという判例を意図的に曲解し、録音行為は判例で禁止されていると組織ぐるみでウソをついていたのである。

そういった体質の組織だから、電子申告は便利だから利用しましょうなどと宣伝されても、信用しないほうがいい。

実は、この電子申告制度は、税務調査の利便性のみに主眼をおいて導入されたきらいが強い。
申告書に財務諸表データーを添付させ、将来的に、そのデーターベースをもとに税務申告の決算書と、それとリンクした総勘定元帳のデーターにより、課税庁はいつでもインターネット上で、納税者の会計取引を随意にチェックできるようになる。

課税庁とっては、税務調査の理由開示や事前通知の義務等の質問検査権に関する法律上の問題が解消され、納税者の協力いかんに関係なく、税務調査や半面調査が遂行できるようになる。納税者の権利を犠牲にして、税務調査の効率化が図られるというわけだ。

国民の要請によってではなく、国の一存で導入された制度は、いかなる名目であっても、国に利益をもたらすだけで、国民にとってほとんどメリツトはないとみてまず間違いない。
制度導入の名目が美しい言葉で飾られるほど、われわれ国民は警戒心を強めねばならないのだ。

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