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タクシー運転手との心のふれあい

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一昨日のこと。
同業者との飲み会があり、二次会、三次会を経て帰りが深夜になった。
タクシーを拾って帰宅したが、その運転手が私を覚えていたのである。
以前、その運転手のタクシーに乗って帰ったことがあったのだ。

タクシーチケットを利用しているが、複数の提携企業からなる大手のタクシーグループのチケットだから、同じ運転手に会う確率はきわめて低い。

特定の営業所から乗った場合ならばともかく、街で拾ったタクシーで、まず同じ運転者に当たることはない。私も、いままで多くのタクシーに乗ったが、街で拾ったタクシーでは、これまで一度も同じ運転者に当たったことがなかったのである。

タクシーに乗って、私から話しかけることはほとんどない。話しかけられたら答える程度である。タクシーに乗るのは終電後の飲み会帰りがほとんどなので、乗車しても、行く先を言い、すぐにうとうとしてしまう。途中、間違えやすいところで、事前に道案内する程度である。

その日、途中で、助手席の後ろに掲げてある運転手の名前に見覚えがあるような気がした。特別変わった名前ではない。平凡などこにでもあるような名前である。どこにでもあるような名前に見覚えがあるような気がするのは、以前この運転手のタクシーに乗ったことがあるからだろうか。

しかし、注視すると、その名前の下には、
「新人ですので、道案内はお早めにお願いします」
と、書いてあった。
新人ならば、以前に乗車したことはないかもしれない。それにしては、運転手の年齢は60歳前後で落ち着きがあった。背を向けているため、顔ははっきりわからないが、話し方に親しみも感じられた。

私は、それ以上考えることをやめ、
「もうしばらくすると、信号がでてきますので、そこを左に曲がってください」
と指示した。
すると、返事の後、
「お客さん、以前もお送りしたことがなかったでしょうか」
と、その運転手が話しかけてきたのである。
そして、次の信号を曲がった後、一つ目の信号を更に左に曲がり、まっすぐ行って突き当たったところで左に曲がり、少し行ったカーブの手前辺りのおうちではなかったでしょうか、と具体的に説明してきたのである。

「やはり、そうでしたか。私も運転手さんのお名前に見覚えがあるような気がしたのですが、新人と書いてありますので、まさかと思っていたのです」
「いえいえ、もう20年以上のベテランですよ」
運転手は、頭を掻いた。
「最近は、せち辛い世の中になりましてね。道をちょっと間違えただけで、タクシー代を払われないお客さんも見えるんですよ。先日も、安城の方でありましてね。道を1本間違えただけなんですが」
運転手はそう言って、にが笑いした。
「お客さんは、お乗せして、話し方ですぐわかりました」
以前会ったことがあるということが、である。親しみのこもった話し方だった。

私は多くを話さないし、話し方に特徴があるわけでもない。なぜ、断片的な話し方だけで気づくのだろうか。
そういえば、ありふれた名前でありながら、私もこの運転手の名前を記憶していたのである。

家に着くと、
「いつも、ありがとうございます」
と、
なんども礼を言い、
「お疲れさまです。お休みなさいませ」
と、丁寧に挨拶をする。
タクシーを頻繁に利用する上得意客でもなく、乗車運賃も三千円程度である。チケットだから、つり銭をチップとして払うこともない。それなのに、真摯に応対するその姿勢に、私はすっかり恐縮してしまった。

門をくぐってから、タクシーが帰っていくのを確認した。
そのタクシーは来た道を戻らず、近道を通って名古屋方面へ向かったようだ。

私の自宅は、通りからかなり奥まったところにあり、ちょっとわかりにくい。そのため、タクシーで帰るときは、運転手が帰りの道を間違えて困らないよう、遠回りになっても、いつも、わかりやすい道を案内して帰るように努めている。

以前、そのタクシーを利用したとき、私のその心配りに気付いてくれたのだろうか。

人と接触するたびに不愉快な思いをすることが多い今日この頃だが、この日は、久々に心と心の温かいふれあいを味わった。

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