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役人の不正に甘い体質

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役人個人の不祥事は処罰しても、役人の組織ぐるみの犯罪は処罰したためしがない。下の者の不祥事でも、それが上の者の責任に及ぶような場合には、不正そのものを、隠蔽ないしは不問にしてしまう体質が役所には染み付いている。
次の二つの記事が、それを如実に物語っている。



服役の男性無実 富山県警は関係者「処分しない」


02年に強姦(ごうかん)容疑などで逮捕され実刑判決を受けた富山県内の男性(39)が服役後に無実とわかった冤罪問題で、富山県警は31日、現時点では当時の捜査関係者を処分しない方針を明らかにした。

記者会見で、当時の捜査について、岸田憲夫警務部長は「故意または重過失ではない。現時点では処分を行うという方針は取っていない」と述べた。安村隆司県警本部長は「組織一丸となって二度とこのようなことが起こらぬようにしたい」と話した。
                                                                            2007年2月1日



「故意または重過失ではない」と言っているが、どうみても、故意または故意に近い過失に見えるのではないか。

故意や重過失でなければ責任を問わないというのであれば、役人の不祥事などほとんど責任を問えないことになってしまう。
この論理で行けば、業務上過失致死傷や傷害致死なども処分なしということになるのではないか。

犯罪者には風当たりの強い世間も、こういった役人の不正には極めて甘いのが不思議でならない。
権力を背景とする強いお上には借りてきた猫のように大人しいが、弱い立場の者に対しては執拗に強くなる浅ましい根性の表れか。



「夫の急死、誤認逮捕が原因」妻が三重県を提訴

三重県四日市市のスーパーで2004年2月、同市内の男性=当時(68)=が、泥棒と間違われて逮捕され翌日に死亡したのは、警察署員の誤認逮捕と違法な取り押さえが原因として、男性の妻(66)が1日、県に5717万円の損害賠償を求める訴訟を津地裁に起こした。三重県警は、事件の全容解明まで誤認逮捕は認められないとしており、遺族が捜査のミスを問うことになった。

男性は04年2月17日午後1時10分ごろ、ジャスコ四日市尾平店の現金自動預払機(ATM)コーナーで、後ろからぶつかってきた子ども連れの若い女性に「泥棒」と叫ばれ、付近の客に取り押さえられた。

身柄を引き受けた四日市南署員が窃盗未遂の現行犯で逮捕。男性を後ろ手で手錠し20分間、床に押しつけたところ、嘔吐(おうと)して意識を失い、翌日、高度のストレスによる高血圧性心不全で死亡した。

訴状によると遺族側は、署員には身柄を受けた際、男性の現行犯逮捕が正当か判断する義務があったのにそれを怠り、小柄で高齢な男性に対して必要な限度を超える違法な取り押さえを続けたとして、署員の過失を主張した。

また、身柄を引き受けた時に抵抗していた男性が、取り押さえ中に意識を失ったことから、署員の過失と男性の死亡に因果関係があるとした。

防犯ビデオの映像などから、男性が盗みをした事実は確認できなかった。

しかし、「泥棒」と叫んだ女性はすぐに現場を立ち去り、行方が分からないままで、県警はこの女性から話を聴くまでは全容解明できないとしている。
                             
2007年2月2日


これも、悲惨な事件である。
犯人と間違えられた誤認逮捕による死亡であるが、警察がミスを認めないため、遺族としてはやむにやまれぬ手段を取ったということだろう。

学校でのいじめによる生徒の自殺で、教師を自殺にまで追い込んだり、犯罪者の家族まで死に追いやるほど追い詰めたりする世間やマスコミも、警察や検察等の権力者の犯罪には、むちゃくちゃ甘い。


弱い立場の者は労わり、強い立場を利用して悪いことをする人間には敢然と戦う気持ちを忘れてはならないと思う。

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コメント

富山の件もそうですが、三重の件、これはかなり深刻な犯罪ですね。女性から話を聴くまでは全容解明できないというなら、永久に解明できないでしょう。「事件の全容解明まで誤認逮捕は認められない」というのは何か法的な根拠があるのでしょうか?

この件で問題になっているのは男性が死亡したということであり、「泥棒」事件は関係ないように思えます。最低でも業務上過失致死、気持ちとしては傷害致死を求めたいものです。

命を奪ったという点では、富山の件よりも更に重大です。

投稿: uccjkc | 2007年2月 7日 (水) 14時04分

コメントありがとうございます。
全くおっしゃるとおりです。
女性から話を聴かなければ全容解明できないということと、誤認逮捕による死亡の責任とが何の関係があるのでしょうか。
この男性が仮に窃盗犯だったとしても、死亡に至らせた責任は問われなければならないと思います。正当防衛でもないのに、窃盗犯だからといって殺してもよいというものではありません。
ましてや、この事件は、防犯ビデオの映像などから、男性が盗みをした事実は確認できなかったのです。
誤認逮捕による死亡でも、全容解明できるまでは責任を負わなくてもよいとは、誠に身勝手極まる論理ではないでしょうか。

投稿: 管理人半兵衛 | 2007年2月 7日 (水) 21時43分

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