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官尊民卑の打破

法務・検察当局は、冤罪防止にどのような対策を講ずるのか。


全国の検事長が緊急会議・5日に

法務・検察当局は、鹿児島県の選挙違反事件や女性3人が殺害された佐賀県の「北方事件」など無罪判決が続いたことを受け、5日に全国8高検の検事長を集めて「検事長会同」を開催する。被疑者の供述内容を含めた証拠の慎重な検討や警察との連携強化を改めて徹底する。

全国の高検検事長や地検検事正が集まった2月の検察長官会同の直前の1月、富山県で強姦罪で実刑判決を受けて服役した男性の冤罪(えんざい)が発覚。但木敬一検事総長は「二度と起きないように万全の策を講ずる」などと述べた。
                      2007年4月3日 日本経済新聞


冤罪による無罪判決が相次いだことを受けての「検事長会同」の開催であるが、警察、検察による不当捜査、不当起訴は、何も最近に限ったことではない。

もともと、警察は見込捜査が多く、一旦逮捕すると、何が何でも自白させようとする体質を持っている。
また、検察も、客観的な証拠に基づく公平な観点から起訴不起訴を慎重に決定しているわけではない。自白に頼り、警察の捜査の上塗りのような取調べで安易に起訴しているのが実態である。

従って、鹿児島県の選挙違反事件や北方事件、富山県の服役男性の強姦冤罪事件なども、特別な事件ではなく、このような捜査のあり方から、いわば日常的に起こっている事件である。
日常的に起こっている事件であるが、裁判所も自白偏重主義で検察の言いなりのような判決しか出さないため、これまで有罪判決の陰に隠れて表面化しなかっただけである。

刑事事件に対する裁判所の方針が変わったわけではないから、冤罪の防止策としては、当面、不当捜査を行った捜査関係者を厳しく処分することで対処するしかない。

富山県の服役男性の強姦冤罪事件では、県警と検察は冤罪発覚後、無実だと知って罪をでっち上げたわけではなく、取り調べの決まりも破っていないなどとして、関係者は全く処分していない。

また、北方事件では、裁判で取り調べの違法性を厳しく指摘されたが、これに関して検察は「真摯に重く受け止め、今後の糧として適正な捜査に努めたい」と述べた一方、「起訴当時は証拠に照らして有罪立証ができると判断した」と言い、起訴自体に問題はなかったとの認識を示している。
 
鹿児島県の選挙違反事件でも、取り調べ担当の警部補が減給処分で、捜査を指揮した当時の志布志署長と本部捜査二課捜査班長がそれぞれ注意と訓戒という極めて軽い処分であり、本事件を担当した検事はやはり何の処分もなされていない。

冤罪事件が日常的に起こるのは、こうした国家の組織に守られた過保護の体質に原因がある。

庶民は一両盗めば打首だが、武士の不始末は預かりという寛大な処置で済ました封建時代からの悪しき風習が今なお役人の世界では常識としてとおっているが、いやしくも民主主義の現代においては、官尊民卑の思想に基づくこのような理不尽なしきたりは絶対に認めてはならない。

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