元税務署員に対する民事訴訟の勝訴判決

本事件を引き起こした竹山孝元税務署員に対し、刑事裁判での虚偽証言を理由に損害賠償訴訟を提起していたが、このほど、当該訴訟の判決があった。

西村康夫裁判官の主文は、次のとおり。

1  被告は、原告に対し、10万円及びこれに対する平成18年11月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 原告のその余の請求を棄却する。

3 訴訟費用は、これを20分し、その1を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。

4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

200万円の損害賠償額を求めたのに対して、判決が被告に支払いを命じたのは、その20分の1の10万円であるが、故意・過失を否定していた被告の主張を退けて、原告の無形の損害を金銭的に評価した点を勘案すると、全面勝訴と言ってもいいのではないだろうか。

しかも、損害賠償の支払い根拠が、過失だけに限定しているのではなく、故意の存在をも推認しての判決であるから、高く評価してよいのではないか。

民事訴訟とはいえ、当該裁判によって、次の事実も明らかになった。それは、被告の竹山孝元税務署員は、公務員当時、法廷で証人として「嘘をついたり、ないことを申したりなど、決していたしません」と宣誓した上で証言しながら、その宣誓に反して犯罪行為に当たる偽証を行ったということである

公務員としてあるまじき行為であり、今後も金銭的な賠償による責任追及にとどまらず、厳しく断罪していく所存である。

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元税務署員を訴える

このほど、本事件のきっかけとなった竹山孝個人に対して訴訟を提起した。

彼は税務署を退官し、現在国税OB税理士として生計を立てていることが判明したが、退官後といえども、在職中の税務調査の際、私の事務所に飾ってあった装飾用のつぼを割って、謝罪も弁償もせずにそのまま逃げ帰り、虚偽の事実を並べて私を有罪に追い込んだ罪は許しがたいものだからである。

在職中は国家権力に守られてほとんど無傷で済んだかもしれないが、これからは国の保護は全く期待できない。費用も時間もすべて自己負担の民対民の闘いである。

今後は、当該訴訟だけでなく、税理士会への綱紀監察請求等も併せて行い、徹底的に弾劾する所存である。

なお、民間人なったとはいえ、公務員当時の事件であることに鑑み、敢えて実名で表記した。

               

               訴     状    

     平成20年12

名古屋地方裁判所 御

                原 告  ○○○○○○○○

                            ○ ○ ○ ○

                    被 告  名古屋市千種区○○○

       竹 山  孝                     

損害賠償請求事件

訴訟物の価格   200万円

貼用印紙額    15,000円

第一、請求の趣旨

.被告は原告に対して金200万円及びこれに対する平成18年2月28日から完済まで年5分の割合による金員を支払え。

2.訴訟費用は被告の負担とする。

との判決並びに仮執行の宣言を求める。


第二、請求の原因

.原告○○○○は、名古屋市○○○○○○○○○○の場所で事務所を構え、○○不動産鑑定事務所の屋号で不動産鑑定業を営んでいる。

被告竹山孝は名古屋中税務署の職員であった平成16年1月23日に、同僚の河地隆雄と原告の事務所へ税務調査の説明に来たが、その際原告とトラブルになり、税務調査の説明を行わないまま退室しようとして原告の事務所に飾ってあった装飾用のつぼを割り、謝罪も弁償もせずそのまま逃げ帰った。

そのため、原告はつぼの代金等を求める損害賠償訴訟を提起したが、被告は原告を公務執行妨害罪で告訴してきた。

.原告は刑事事件で起訴されるに至り、当該刑事裁判で被告が事実と異なる虚偽の証言を行ったため、平成18年2月27日に本件事件の一審で、原告は執行猶予付の懲役6箇月の有罪判決を受けるに至った。

当該一審判決は、控訴審で被告の証言が信用できないとして平成18年11月27日に破棄されたが、この間、原告の本業に多大の影響を与えるほどの精神的苦痛を蒙った。

これを補うには金200万円の賠償金が相当である。

.よって、原告は被告に対し、前記損害金200万円及びこれに対する損害発生の翌日、すなわち平成18年2月28日から支払済みに至るまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

証拠方法

口頭弁論の際に提出する。

                                   以 上

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訴変更申立書

当方の訴訟提起に対し、国は最高裁の判例を引用して、裁判官の違法行為につき国家賠償法の規定により損害賠償の責を追うのは、「上訴等の訴訟法上の救済方法によって是正されるべき瑕疵の存在だけではなく、違法又は不当な目的をもって裁判を行ったなどの特別の事情の存在が必要であり、付与された権限の趣旨に明らかに背いて裁判官の職務行為を行使した場合でなければならない」と反論してきた。

そこで、次のとおり訴を変更し、準備書面で下記のとおり不当な目的をもって裁判を行い、付与された権限の趣旨に明らかに背いて裁判官の職務行為を行使したと主張した。                                                         

               ~~~~~~~~~~~~~~~                         平成20年9月8日  

平成20年(ワ)第2886号損害賠償請求事件

原告 ○○○○

被告 

名古屋地方裁判所民事第4部ハB係 御中

訴変更申立書

  原告 ○○○○                            上記当事者間の平成20年(ワ)第2886号事件につき、原告は次のとおり請求の趣旨を訂正し、請求原因を下記のとおり変更する。

第一、請求の趣旨

1.被告は原告に対して金50万円及びこれに対する平成18年2月28日から完済まで年5分の割合による金員を支払え。

2.訴訟費用は被告の負担とする。

  との判決並びに仮執行の宣言を求める。

第二、請求の原因

1. 原告○○○○は、名古屋市○○○○○○○○の場所で事務所を構え、○○不動産鑑定事務所の屋号で不動産鑑定業を営んでいる。平成16年1月23日税務調査の説明に来た名古屋中税務署の職員竹山孝らとトラブルになり、当該トラブルが公務執行妨害という刑事事件にまで発展し、原告は起訴されるに至った。

2. 本件事件の一審裁判を担当したのは、名古屋地方裁判所刑事第5部の裁判官伊藤新一郎であるが、同人は不当な目的をもって、公訴事実をはじめ、犯行の経緯・状況、実況見分等の客観的事実を捻じ曲げ、平成18年2月27日に裁判官の負う職務上の法的義務に違反するでたらめな判決を下して原告の本業に多大の影響を与えるほどの精神的苦痛を及ぼした。これを補うには金50万円の賠償金が相当である。

3. よって、原告は被告に対し、国家賠償法第1条に基づき前記損害金50万円及びこれに対する損害発生の翌日、すなわち平成18年2月28日から支払済みに至るまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める。         

                                                                                       以 上

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第1準備書面

    平成20年9月8日 

平成20年(ワ)第2886号損害賠償請求事件

原告 ○○○○

被告 

名古屋地方裁判所民事第4部ハB係 御中

第1準備書面                 

           原告  ○○○○○

 原告は、本準備書面において次のとおり主張する。

一、国家賠償法1条1項の違法行為

   本件違法行為の対象者である名古屋地方裁判所裁判官伊藤新一郎は、原告の刑事裁判を担当し、原告との関係で公務員として公平妥当な裁判を行う個別具体的な職務上の法的義務を負担していたにもかかわらず、その職務上の法的義務に違反したのであるから、同法1条1項の違法行為に該当する。

二.裁判官の職務行為の違法性

裁判官の行う裁判にも国家賠償法が適用されることは被告主張のとおりであり、その違法性の判断についても被告の引用する判例(最高裁昭和57年3月12日第二小法廷判決、同昭和39年オ第1390号、同43年3月15日第二小法廷判決)のとおりであると考える。

そこで、本件裁判官の裁判につき、同判例が指摘する違法性についての「特別の事情」の存在について検討する。

三.瑕疵の存在と特別の事情の存在

1 瑕疵の存在とその原因

  伊藤新一郎裁判官は、平成16年(わ)第479号公務執行妨害被告事件につき、事実と異なる下記検察官の公訴事実をそのまま認定して、平成18年2月27日に原告に有罪判決を宣告している。

<公訴事実  被告人は、平成16年1月23日午後2時25分ころ、名古屋市○○○○○○○○ビル○○○号室内の応接室において、被告人の所得税等の調査に訪れた名古屋中税務署財務事務官竹山孝(当56年)に対し、「うそばっかつくな。」などと怒号しながら、その身体に向けて数本のカセットテープを投げつける暴行を加え、もって同財務事務官の職務の執行を妨害したものである。>

当該公訴事実が真実と異なるため、控訴審では原判決を破棄しているが、起訴した検察側自体も公訴事実の誤謬を当該控訴審判決前に認めて、下記のとおり訴因を変更している。

<公訴事実  被告人は、平成16年1月23日午後2時25分ころ、名古屋市○○○○○○○○ビル○○○号室内の応接室において、被告人の所得税等の調査に訪れた名号室において、被告人の所得税等の調査に訪れた名古屋中税務署財務事務官竹山孝(当56年)に対し、「うそばっかりつくな。」などと怒号しながら、同人の傍らにあった応接コーナー用パーテーションに向けてケース入りのカセットテープを思い切り投げつける暴行を加え、もって同財務事務官の職務の執行を妨害したものである。>

伊藤新一郎裁判官は、控訴審の裁判官だけでなく、起訴した検察官でさえ間違いと認めるお粗末な公訴事実を真実と認定して、原告に有罪判決を下した。

つまり、証拠を普通に検討すれば、高度の知識と判断力を備えた法律の専門家たる裁判官であれば、誰でも当該公訴事実が間違っていることがわかるはずであり、公訴事実が間違っていれば、無罪判決を宣告しなければならないことは自明のことであるにもかかわらず、敢えて原告に有罪判決を下している。

このことは、伊藤新一郎裁判官が単なる過失で判断を誤り、間違った判決を下したということではなくて、そもそも当初から裁判官としてまともな判断を下すことのできないまったくの無能力者か、国家権力を背景とする検察官に迎合するなどの不当(違法)な目的で敢えて事実を捻じ曲げたかのいずれかに限定された理由による結果であることを物語る。

2 裁判官としての資質の欠落か不当(違法)な目的の存在か

 従って、本判決につき、伊藤新一郎裁判官は不当(違法)な目的ではなく、裁判官としての資質の欠落した無能力者故に誤った判決を下したのか、それとも裁判官としての資質には問題はなく、不当(違法)な目的故に敢えて誤った判決を下したのかについて具体的に言及する。

3 原判決における事実誤認の検討

 伊藤新一郎裁判官の原判決で、誤認した事実を列記して順次検討すると、次のとおりである。

① 名古屋中税務署財務事務官竹山孝に対し、その身体に向けてカセットテープを投げつける暴行を加えた、とする点

 カセットテープは、竹山孝に向けて投げつけられたものではなく、同人の立っていた場所とは方向の異なる応接コーナー用パーテーションに向けて投げられたものである。竹山孝は、どこに当たり、ガシャンという割れる音がどこから聞こえたのかは覚えがなく(甲第1号証47頁、48頁)、後ろであることぐらいはわかった(甲第1号証61頁)と曖昧な証言をしている(甲第1号証47頁)が、同人の立っていた後方には、カセットテープの割れるような場所がない反面、応接コーナー用パーテーションにはカセットテープが当たったと認定できるキズがあり、破片も付着していたため、現場を実際に検証した伊藤新一郎裁判官には、竹山の証言が虚偽であることが容易に判断できたはずである。

② 前記カセットテープの本数を数本と誤認している点

 投げつけられたカセットテープの本数は、竹山と河地の証言で符合せず、割れた破片を照合しても1本にしかならない上、現場の状況からも数本も投げれば、竹山の身体に当たらないはずがないことが容易に推認できた。

③ カセットテープが投げられる前に原告(原判決時は被告人)が竹山・河地の写真を一旦撮影し、その後中止して再び撮影したとする点(乙第1号証の1:原判決5頁)

応接室での写真撮影は一度だけであり、このことは、証拠として採用された写真や現像ネガの物的証拠により動かしがたい事実であった(甲第3号証)。

④ 原告(原判決時は被告人)が竹山・河地の写真を一旦撮影し、その後中止した後再び(2度目)写真撮影を始めたため、竹山がこれを防ごうと椅子から立ち上がったとする点(乙第1号証の1:原判決5頁)

写真撮影は、竹山が説明義務を放棄して席を立ち、応接室を退室しようとした姿を撮影したのが最初であり、このことも、証拠として採用された写真や現像ネガの物的証拠により動かしがたい事実であった(甲第3号証)。

⑤ 応接室から退出する竹山を河地は見ることができないことを無視した点

  検証の結果からも明らかなとおり、河地の立ち位置からは、応接室から退出する竹山を見ることができない(甲第7号証)。伊藤新一郎裁判官は、検証の際、実際にその場に立って確認したにもかかわらず、この事実と河地供述との齟齬に目をつぶり、河地供述を信用できるものとした。

⑥ 竹山が応接室に向けて開くドアを後ずさりしながら開けて逃げたとした点(乙第1号証の1:原判決5頁)

  応接室と事務室とを区分するドアは応接室側に開くため、後ずさりの姿勢では、当該ドア開けて応接室からスムーズに退室することは不可能である。竹山は原告(原判決時は被告人)に殴られると思い後ずさりして退室したと言っているが、原告との距離が1メートルぐらい(甲第1号証50頁)であったのであれば、内開きのドアを開けている間に追いつかれてしまったはずである。この不合理な点は、民事事件の裁判官が正当に指摘し、質問しているところであるが、竹山はしどろもどろで説明ができなかった(甲第4号証:当審弁第4号証38頁、39頁)。このような客観的証拠を敢えて黙殺し、竹山の証言を信用できると結論付けるのは、資質の欠落した無能力者か、強い故意により竹山の供述を採用しようとする不当な目的の存在なくしては不可能というほかない。

⑦ 実況見分の際、実際には原告は当時勾留中で実況見分に立ち会っていないのに、原告(原判決時は被告人)が実況見分に立ち会っていながら、原告主張の事実に沿う指示説明をしなかった旨認定している点(乙第1号証の1:6頁)

   立会者が誰であるかは実況見分調書に記載されており、間違える事項ではおよそない(甲第4号証)

⑧ 一方でカセットケースの破片3個が発見された事実を否定して原告の公判供述の信用性を否定しながら(乙第1号証の1:原判決6頁あ)、他方でカセットケースの破片3個の存在を前提として原告の公判供述の信用性を疑問視している(乙第1号証の1:原判決6頁う~7頁)

  判決理由における場当たり的な認定であり、明らかな矛盾である。

⑨ 被告人の供述する投げ方を前提とすると、投げたカセットテープのケースが、弁護人の見分したような割れ方をしたとは到底考えられないと断定している点(乙第1号証の1:原判決6頁)

  石の大きさや投げ方で窓ガラスがどのような割れ方をするかということであれば、経験則がある程度確立されているかもしれないが、事務所でのカセットテープの投てきという極めて非日常的な行為において、どのような投げ方で、どこに当たった場合にどのような壊れ方をするかという結果は本来実験してみないと分からない事実であるにもかかわらず、何ら実験せずして経験則のごとく当たり前に断定することは、理不尽の極みである。

⑩ 河地の公判供述は、竹山がつぼを割ったという事実も素直に供述したという点と、かつ犯行時までの被告人の言動について主要部分が被告人と符合したから、信用性が高く、従って犯行時の状況が被告人の供述と異なっていても、それは被告人の供述が信用できないのであって、河地の供述の信用性は全く揺るがないと断定している点(乙第1号証の1:原判決7頁)

   河地と被告人を置き換えれば、全く正反対の結論に達する常軌を逸した判断であり、精神分裂者か不当な目的の存在なくしては導くことのできない結論である。

⑪ 竹山も、つぼを割ったという事実を率直に供述したという点と、犯行時までの被告人の言動についての供述が主要部分において被告人のそれと符合しており、かつ信用性の高い河地の供述と大筋において符合する内容の公判供述をしているから、信用できるとしている点(乙第1号証の1:原判決7頁)

   前記で述べたとおり、全く公平を欠いた常軌を逸した判断である。竹山、河地の供述には矛盾点が多く、物的証拠との齟齬も多いにもかかわらず、これらの供述を高く評価するというのは、精神分裂者でなければ、「特別の事情」により極端にえこひいきした不当な結論としか言いようがない。

⑫ 以上挙げたいくつかの事実認定の間違いや判断根拠の矛盾を前提として、竹山、河地の供述の信用性を高く評価し、一方被告人の犯行状況についての供述は、「自己矛盾であったり、不自然不合理な点が多く信用できない」、「以上を総合すると、判示事実は合理的な疑いを入れる余地なく認定できる」と結論付け、有罪判決を下している点(乙第1号証の1:原判決9頁)

   以上を総合すると、自己矛盾であったり、不自然不合理な点が多かったりして信用できないのは、竹山、河地の供述であり、伊藤新一郎裁判官の判決である。

4 裁判官としての能力の欠落

 では次に、伊藤新一郎裁判官は、そもそも当初から裁判官としてまともな判断を下すことのできないまったくの無能力者なのか検討する

伊藤新一郎裁判官は、過去に心身の故障により免官された事実はなく、また能力不足による不当な裁判で懲戒を受けたり、再任を拒否されたりしたという事実も見聞きしない。国も、能力の欠落によりしばしば問題を起こすような裁判官を敢えて任官するはずもなく、平成14年11月6日からは名古屋地方裁判所の刑事部長の要職も務めているのだから、能力的に問題があったとは到底考えられない。

5 違法または不当な目的の存在

 上記で検討したとおり、伊藤新一郎裁判官の原判決での瑕疵は、単なる過失という程度のものではない。中学生程度の能力が備わっていれば判断を間違えることのないレベルのものばかりであり、そこには強い故意の存在が伺われる。

特に、⑩、⑪のように、いずれの供述に信用性を置いても根拠は変わらないものであれば、本来立証が不十分なのであるから、疑わしきは罰せずという結論に到達するはずであるが、このような場合でも、敢えて国税当局者や検察側の肩を持つ不当な結論を導いている。

従って、本件については、単なる「上訴等の訴訟法上の救済方法によって是正されるべき瑕疵の存在」という程度のものではなく、「不当な目的をもって裁判を行った」ことが明白であり、「付与された権限の趣旨に明らかに背いて裁判官の職務行為を行使した」と言わなければならない。

三.不当(違法)な目的の存在の立証

 前述の不当な目的の存在は、伊藤新一郎裁判官の証人尋問によって明らかにする。

【 証 拠 方 法 】

甲第1号証  平成16年(ワ)第479号証人尋問調書(竹山孝)       

甲第2号証  平成16年(ワ)第479号証人尋問調書(河地隆雄)

甲第3号証  写真説明書

甲第4号証  平成16年(ワ)第1335号証人調書(竹山孝)

甲第5号証  平成16年(ワ)第1335号証人調書(河地隆雄)

甲第6号証  実況見分調書

甲第7号証  検証調書

                       以 上

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裁判官を訴える

訴  状      

      平成20年6月

名古屋地方裁判所 御中

         原 告 ○○○○
            被 告 国

                同代表者法務大臣鳩山邦夫                             

            ○○○○○○○○○○
            原告  ○○○○

損害賠償請求事件

訴訟物の価格 50万円

貼用印紙額  5000円

第一、請求の趣旨

1.被告は原告に対して金50万円及びこれに対する平成18年  3月28日から完済まで年5分の割合による金員を支払え。

2.訴訟費用は被告の負担とする。

  との判決並びに仮執行の宣言を求める。

第二、請求の原因

1.原告○○○○は、名古屋市○○○○丁目○○番○○号の場所で事務所を構え、○○○○不動産鑑定事務所の屋号で不動産鑑定業を営んでいる。平成16年1月23日税務調査の説明に来た名古屋中税務署の職員竹山孝らとトラブルになり、当該トラブルが公務執行妨害という刑事事件にまで発展し、原告は起訴されるに至った。

2.本件事件の一審裁判を担当したのは、名古屋地方裁判所刑事第5部の裁判官伊藤新一郎であるが、同人は公訴事実をはじめ、犯行の経緯・状況、実況見分等の客観的事実を捻じ曲げ、平成18年3月27日に専門家たる裁判官としてあるまじきでたらめな判決を下して原告の本業に多大の影響を与えるほどの精神的苦痛を及ぼした。これを補うには金50万円の賠償金が相当である。

3.よって、原告は被告に対し、国家賠償法第1条に基づき前記損害金50万円及びこれに対する損害発生の翌日、すなわち平成18年3月28日から支払済みに至るまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

証拠方法

 口頭弁論の際に提出する。             以 上

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不当判決:つぼ割れ訴訟、地裁判決取り消し

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あまりの不当な逆転判決で、まだ、感情がおさまらないため、コメントは後日させていただきます。
とりあえず、ニュースだけお知らせします。


なお、下記記事の「鑑定士宅」は「鑑定士の事務所」、「カセットテープを調査官に向かって投げつけるなどしたため」は「カセットテープを傍らにあったパーティーションに投げつけた」の間違いです。



つぼ割れ訴訟:地裁判決取り消し、請求棄却 名古屋高裁

税務調査に来た名古屋国税局の職員が自宅のつぼを割ったとして、愛知県○○市の不動産鑑定士の男性が国を相手取り、95万円の国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決が31日、名古屋高裁であった。青山邦夫裁判長は、国に5万円の支払いを命じた1審・名古屋地裁判決を取り消し、鑑定士の請求を棄却した。青山裁判長は「つぼは職員の過失で割れたが、暴行を加えられると考えたための行動で、正当防衛が成立する」と述べた。

判決によると、調査官2人が税務調査のため、04年1月23日に鑑定士宅を訪問した際、課税方法などを巡って口論となった。鑑定士はソファーにあったカセットテープを調査官に向かって投げつけるなどしたため、1人の調査官が退出しようとした際、電話台の上のつぼに接触し、つぼが落ちて割れた。【月足寛樹】

▽名古屋国税局の話 国の主張が全面的に認められたと考えており、今後とも信頼される税務行政の執行に努めたい。
                 
毎日新聞 2007年2月1日 1時58分

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「つぼ割ったのは国が悪い」:民事控訴審判決期日

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明日1月31日、午後3時30分に、名古屋高等裁判所で判決がある。
名古屋中税務署の調査官が私の事務所のつぼを割ってそのまま逃げた事件で、国に損害賠償を求めた民事事件の控訴審判決である。


私は一審でつぼ代5万円と慰謝料15万円の計20万円の賠償を求めた。
国側は、私が国税の調査官に向かってカセットテープを投げつけ、掴みかからんばかりに迫ってきたため、それを避けようとして割ってしまったのだと嘘をつき、正当防衛を主張して、賠償義務はないと争ってきた。


一審判決は、下記の新聞記事のとおり、国税調査官の供述に信用性を認めず税局側の主張する正当防衛の成立を否定してつぼ代5万円の請求を認めた。

但し、慰謝料は次の理由で排斥された。

「上記(4)判示のとおり竹山が原告の事務所の本件壺を損壊した行為は国家賠償法上違法であるが、竹山がその場で本件壺を割ったことににつき原告に謝罪しなかったり、その後の原告の抗議に対して何らの対応もしなかったことは、道義的に非難されるものではあったとしても、そのような事後の不誠実な対応自体が、本件
壺の損壊とは
独立した違法行為となるものではない。


P1300054P1300053
争点(6)(損害額)
原告本人の尋問結果及び弁論の全趣旨によれば、本件壺の価格は5万円と認められるから、本件壺の損壊に係る原告の損害は5万円と認めるのが相当である。


P1300056_1P1300055_5なお、原告は、竹山が本件壺を損壊した行為に係る慰謝料も請求しているが、本件壺の損壊による財産的損害が回復されることで、原告の精神的苦痛も慰謝されると解するのが相当であり、争点(5)で原告が主張する竹山から謝罪がなされていないことを考慮に入れてもなお、上記慰謝料の請求には理由がないと言うべきである」
 


「つぼ割ったのは国が悪い

国税調査官側の正当防衛認めず  名地裁、5万円賠償命令

税務調査に来た名古屋国税局の特別国税調査官が自宅のつぼを割ったとして、愛知県○○市の不動産鑑定士の男性が国を相手取り、20万円の国家賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁は20日、国に5万円の支払いを命じた。つぼが割れた原因を巡って2年以上にわたって争ってきたが、渡辺修明裁判長(清水研一裁判長代読)は、国税局側が主張する正当防衛の成立を否定した上で、「公権力の行使に当たって損害を与えた」などと認定した。

訴えによると、調査官2人が04年1月23日、税務調査のため、鑑定士宅を訪問した際、課税方法などを巡って口論となった。鑑定士がソファにあったカセットテープを調査官に向かって投げつけたため、調査官が退出しようとしたところ、手に持っていた何かが電話台の上のつぼに触れ、落下したつぼが割れた。

鑑定士側は「調査官が腹いせに、故意か過失で割った」と主張。国税局側は「鑑定士が迫ってきたので逃げる際に割れた」と反論した。渡辺裁判長は「『つかみかからんばかりに迫っていた』などという正当防衛を基礎付ける事実は調査官の供述からは認められない」と結論付けた。

名古屋国税局の話 判決内容は詳細に承知していないが、国側の主張の一部が認められなかったのは大変残念である
                     2006年7月21日毎日新聞


この民事訴訟は、本事件の原点である。
名古屋中税務署の竹山孝財務事務官(特別国税調査官)が、私の事務所のつぼを割っておきながら、謝罪も弁償もせずそのまま逃げ帰った。

その責任を追及するため、本件民事訴訟を提起したところ、何と、その3日後に、いきなり警察が公務執行妨害の濡れ衣で、私を逮捕しに来たのである。

一審の刑事裁判は、竹山財務事務官らの供述の信用性が高いとして、平成18年2月27日に懲役6ケ月、執行猶予3年の有罪判決を下したが、民事の判決はその刑事裁判の判決後の7月20日に、それと異なる事実認定をして国側の責任を認めたのである。
この意義は大きい。

上記民事事件で、国側は4万円の担保を供託し、仮執行宣言付判決の強制執行の停止まで申し立てて、控訴してきた。悪あがきと嫌がらせである。

そのため、私はそれに対抗するため、着手金90万円を弁護士に支払って応訴している。

控訴審では、この弁護士への着手金90万円を上乗せして付帯控訴しているが、仮に、この着手金のいくらかが損害額として認められても、認められた額全額を弁護士報酬として支払う取り決めになっているので、私としては勝ち負けに関係なく、金銭的には損害額が膨らむだけの結果となる。

ただ、刑事の控訴審も、平成18年11月27日に、罰金50万円の一応有罪ながら、竹山財務事務官らの供述は全く信用できないとして、一審判決を破棄する判決を下しているから、もはや民事訴訟の結果が覆ることはありえまい。

ひとつ心配なのは、付帯控訴で上乗せした90万円の着手金相当の損害額が減額され、ないしは全く認められなかった場合である。
損害額がいくらであっても、私の経済的な損得は変わらないが、一審判決の新聞記事にもあるように、

「国側の主張の一部が認められなかったのは大変残念」
などと、あたかも勝訴し、国側に責任がないような言い方で逃げられることが心配だということである。


一審の判決結果は、毎日新聞だけでなく、読売新聞、中日新聞も報道している。が、いずれも国側からの情報のみを拠り所にしているため、どうしても真実と微妙にニュアンスが異なる観は否めない。

マスコミ各社に注意を促したいところである。

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第一回刑事裁判

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平成16年4月28日、名古屋地方裁判所で第1回の刑事裁判が開始された。

傍聴席が30席前後しかない狭い501号法廷が、国税関係者で埋め尽くされた。
制服の女性職員もいた。
平日の勤務時間中である。一個人の公務執行妨害事件の裁判の傍聴が、国税職員の業務に含まれないことは明らかだ。
20~30名の職員が、全員休暇や早退の手続きを踏んで傍聴に来ているとは思われない。
国税、税務署の職員が、税金から支払われている給料をもらって、業務とは関係のない刑事裁判の傍聴に来ているのである。税金の徴収を仕事とする国税当局が、税金の無駄遣いを率先して行っているようなものだった。
関係者にとっては、それだけ関心の高い事件ということだろう。

この事実からしても、一個人が現場の税務署職員の公務を妨害した単なる公務執行妨害事件ではないことが、浮き彫りになった。

裁判官は、伊藤新一郎という裁判官だった。名古屋地裁の刑事部長だという。なかなかのタヌキだという評判があった。
検察官は、水野雄介という名の30歳前半の若い検事である。
まず、水野検察官が起訴状を読み上げた。
<起訴状
公訴事実
被告人は、平成16年1月23日午後2時25分ころ、名古屋市○○○○号室において、被告人の所得税等の調査に訪れた名古屋中税務署財務事務官竹山孝(当56年)に対し、「うそばっかつくな。」などと怒号しながら、その身体に向けて数本のカセットテープを投げつける暴行を加え、もって同財務事務官の職務の執行を妨害したものである。
罪名及び罰条
公務執行妨害   刑法第95条第1項>

起訴状朗読後、その若い検事は、起訴事実に沿った簡単な冒頭陳述を行った。

次いで、被告弁護側の陳述に移った。
まず、私が被告人として罪状認否を行った。
「私の起訴事実に対する認否は次のとおりです。
公訴事実記載の日時、場所において、竹山孝特別国税調査官と口論となり、私が嘘ばっかりつくなと発言したことはありました。また、私が口論の中途において、感情が高まって手に持ったカセットテープ1本を私の横にあったパーティーションに座ったままぶつけ、それによりカセットケースが割れたことはありました。
しかし、口論になったのは、竹山孝特別国税調査官が嘘ばかりつくことと、私に対する説明の途中で、話を打ち切って帰ろうとしたからです。
また、カセットテープ1本をパーティーションにぶつけたことは、怒りを物にぶつけたもので、公務を妨害する意識は全くありませんでした。」

次に、A弁護士が冒頭陳述書を朗々と読み上げた後、順次各弁護人から、起訴状に対する求釈明、公訴事実に対する弁護人の意見等が述べられ、被告人が無罪であることを主張した。
そして、被告人は無罪であり、そもそも、本事件は不起訴になってしかるべき行為であり、本件公訴の提起は、検察官が公訴権を濫用したものであるから、本件公訴を棄却する、との判決を求める旨を訴えた。

弁護側の席は年配の主任弁護人と二人の若手弁護士で結成した弁護団が占めているが、検察側の席は、見栄えのしない若い検事一人であり、見た目にはいかにも貧相であった。

この日の第一回の公判では被告弁護側は起訴事実を否認し、全面対決の姿勢を打ち出した。
法廷闘争は第二回目以降の証拠調べの場に移ったが、この日の初公判を見る限り、国税・検察の思惑通り、ことがすんなり運ぶようには誰の目にも映らなかったに違いない。

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平成16年(わ)第479号 公務執行妨害被告事件
被告人 
平成16年4月28日
名古屋地方裁判所刑事第5部A係 御 中
主任弁護人 
弁護人
弁護人 

冒 頭 陳 述 書

弁護人が証拠により証明する事実は以下のとおりである。

第1 本件の事実経過
1 平成16年1月23日以前の調査の経緯等
(1)被告人に対する税務調査と古賀調査官問題
平成15年8月ころより,<竹山特官>らは,被告人の所得税・消費税の税務調査を行っていた(以下,「本件調査」という)。
 被告人は,本件調査に積極的に応ずる姿勢を見せ,竹山特官の求めに応じ,資料を提供していた。
平成15年11月27日,中税務署所属の古賀調査官が,中川税務署員と名乗り,反面調査であるとして,被告人宅に執拗に電話をかけた一件(以下,「古賀調査官問題」という)があり,以降,被告人は,平成15年12月5日付けで中税務署長宛てに抗議を行ったが,一片の回答もなかった。
(2)竹山特官の言動と被告人の抗議
 平成15年12月12日,本件調査として,竹山特官が被告人事務所を訪れた。竹山特官は,事前には「支払利息の件で聞きたいことがある」旨述べていたが,被告人の事務所に訪れたときには,「調査を早く終わらせたい」「資料も出してもらえないから,銀行預金の反面調査で金の出入りを見て収入を出し,費用は同業者の率をもとに推計して所得を出した」(所得漏れについて)「分からないところは課税しないというわけにもいかないので,これらは全部所得漏れということにしてあるが,不服があれば異議申し立てや次の担当者に言えばいい」などと述べ始めた。
 被告人は,従来本件調査に協力し資料の提出にも応じており,被告人が述べた事実や提出した資料も竹山特官が十分吟味していないこと,同業者の率からの推計結果も不合理であることなどから,竹山特官の説明に納得がいかなかった。
 このため,被告人は,名古屋中税務署長宛てに内容証明郵便で抗議した。
 平成15年12月15日,竹山特官から被告人に電話があり,先日の金額で修正申告に応じるかと慌てた様子で尋ねられたが,被告人は本件調査は中途で不十分であり、説明らしき説明もなかったことと、正しい調査を行うよう署長に抗議している最中であること等を伝えてその電話を切った。
(3)面談の日程調整の約束
被告人は,文書での抗議が前回黙殺されたことに鑑み,古賀調査官問題,竹山特官の従来の対応の説明,本件調査の結果及び理由の説明を求めるため,古賀調査官,竹山特官同席のうえでの中税務署長との面談を申し入れ,中税務署総務課長(以下,単に「総務課長」という)は,しぶしぶ,「日程を調整して連絡する」と約束した。
平成15年12月17日,竹山特官が,被告人の留守中,被告人の事務所に臨宅通知書を置いて行った。臨宅通知書には,「ご不明の点の点があれば,12月19日(金)までに下記担当者まで連絡下さい」などと書かれていた。
 臨宅通知書を見た被告人は,不明の点は抗議書で詳しく述べており、かつ中税務署長を交えて質問することで日程を調整してもらっているにもかかわらずこのような文書を置いていくことに疑問を感じて,総務課長に電話をかけた。すると,面談の日程は明日連絡するとのことであり,次いで,被告人が竹山特官に電話をかけ,総務課長との前記会話内容を伝え,不明点の質問や修正申告についての考えは面談の際にする旨述べたところ,竹山特官は,「分かりました」と了承した。
 被告人は,この際の竹山特官との会話を録音していた。平成16年1月23日に竹山特官及び河地特官に再生して聞かせたのはこの録音テープである。
(4)中税務署の不誠実な対応
平成15年1月18日,総務課長から,被告人に電話があったが,日程調整の前提であった古賀調査官,竹山特官,中税務署長との面談ではなく,総務課長が1人で被告人に会うとのことであった。
 被告人は,総務課長が約束を反故にしたことを追及したところ,同人は約束自体を否定した。
 さらに,被告人が「署長に会うということで竹山さん(竹山特官)にも了承してもらっている」と述べたところ,総務課長は,竹山特官に確認するでもなく,言下に否定したため,被告人は,前記の録音テープを電話口で再生して,総務課長に聞かせたところ,総務課長は黙ってしまった。
 結局,総務課長及び竹山特官の約束は,平成15年12月20日になっても守られず,日程調整の結果の連絡もなかったため,被告人は,同日,国税庁長官宛てに,本件調査について,中税務署に対し,公正・適正な税務調査を行うとともに,古賀調査官,中税務署長,竹山特官らの懲戒を求める請願を行った。
(5)平成16年1月23日に説明を行うことの約束
 平成16年1月15日,被告人事務所の郵便受けの中に,明日17時までに連絡がない場合には,更正通知をする旨の竹山特官からの臨宅通知書が入れてあった。
 翌日,被告人は,総務課長に電話をかけ,従来の経緯を糺したところ,総務課長の回答は,税務調査はうち切る,署長にも会わせない,調査所得額が変わることもない,しかし調査結果の説明だけは竹山に正しくさせるというものであった。
 被告人は,この回答に納得できなかったが,説明があるだけでも一歩前進と考え,平成16年1月23日午後2時に説明してもらうよう依頼し,了解を得た。  2 平成16年1月23日のできごと
(1)被告事務所の内部の様子
 平成16年1月23日のできごとが起こった被告人事務所の内部の様子は,別紙図面1のとおりである。
 本件事実経過に関する限りでは,東側の入り口から入ったところが玄関であり,付近の「壺」と記載されているところに,竹山特官が破損した壺が置かれていた。
 竹山特官,河地特官が案内され,被告人と話をしたところが南側のうち,パーティションで区画された部分である(以下,「応接室」という)。応接室の東側にはパーティションがない部分があり,これが応接室の入り口となる。
 玄関と応接室の境には,反時計周りに,応接室側に開く扉がある(以下,「扉」という)。
その他,被告事務所の内部の様子は,詳細に立証する予定である。
 竹山特官らが被告人事務所を立ち去るまでの間、被告人事務所には、被告人、竹山特官、河地特官のほか、被告人の妻しかいなかった。
(2)竹山特官が席を立つまで
 平成16年1月23日午後2時ころ,竹山特官と河地特官が被告人の事務所を訪れ,被告人の妻が応接室に案内し,その後被告人が着席した。この際の被告人,竹山特官及び河地特官の位置関係等は,別紙図面2に示すとおりであった。
 なお,この際,被告人は,前記カセットテープと空のテープ2本,テープレコーダー,カメラを持ってきていた。
 挨拶の後,中税務署長との面談の件が問題となり,竹山特官が,被告人との平成15年12月12日の被告人事務所での会話,同年12月17日の電話での会話内容をいずれも否認したので,被告人との間で,言った,言わないのやりとりとなり,被告人は,前記カセットテープを再生し,竹山特官と河地特官に聞かせた。
 竹山特官は,カセットテープに録音された自らの会話内容を聞かされても,なお否認を続けたため,被告人は,この日に予定されていた本件調査結果の説明についても,後で話を変えられるおそれがあると思い,録音することを申し入れた。
 すると,竹山特官は,説明をテープで録音するなど,普通の状態じゃあない。そんなことでは説明はできない。調査を中止する」と怒ったような口振りで立ち上がり,応接室から立ち去ろうとした。
 被告人は,竹山特官が,きっちり説明すると約束したにもかかわらず,録音されては不都合であるという態度を示し,立ち上がって応接室の入り口に向かって歩き始めたため,咄嗟に,竹山特官を,カメラで撮影した。
 この時の状況について,竹山特官,河地特官は,名古屋簡易裁判所平成16年(ハ)第750号損害賠償請求事件(同事件は,現在名古屋地方裁判所に移送され,同庁平成16年(ワ)第<1335>号として係属している。以下,「別件民事訴訟」という)において提出された同人らの陳述書(以下,単に「陳述書」という)において,被告人がカメラで撮影を行ったため,竹山特官が席を立った旨虚偽の供述をしている。
(2)応接室の外に出た竹山特官とのやりとり
 竹山特官は,応接室の外に出て,一旦は扉を開けたが,振り向き,応接室の入り口の手前まで戻ってきた。
 このときの被告人,竹山特官,河地特官の位置関係等は,別紙図面3に示すとおりであった。
 竹山特官と被告人との間で,被告人が写真を撮影したこと,竹山特官が嘘をついたこと,古賀調査官問題,被告人の留守に臨宅通知書を置いていく手口,被告人の携帯電話の番号を知っているのに電話をしてこないこと等について口論があった。
 この口論の中で,竹山特官は,被告人が写真を撮影したことについて,「そんなことをすると,調査を打ち切って更正処分を行いますが,いいですか」と述べ,河地特官が古賀調査官問題について,古賀調査官を弁護する発言を行った。
(3)被告人がカセットテープを投げた状況
 携帯電話についてのやりとりで,竹山特官が被告人の携帯電話の番号を知らない旨嘘をついたため,被告人は,「嘘をつくな」と言いながら,ソファの肘掛けの上に置いてあったプラスチックケース入りカセットテープ1本を手に取った。
 このときの被告人の心境は,竹山特官が嘘をついたため,かっとなった気持ちを,手近にあったカセットテープという物に当たったものであった。
 被告人は,手に取ったカセットテープ1本を,応接室の内側のパーティション南東角付近をめがけて投げつけた。カセットテープ1本は,やや北に狙いがそれ,パーティションのほぼ中央に当たり,プラスチックケースが割れて,破片がソファの上に落ちた。 
(4)カセットテープを投げた後の状況
 被告人がカセットテープを投げた後、竹山特官は、被告人に対し、携帯電話に電話をかけられると営業妨害になると被告人が述べていた旨述べた。
 被告人は、「私が携帯電話の番号を教えたとき、会議中のような時はすぐに出られないからと言ったら、竹山さん、あんた、まあ、この電話にかけることはあんまりないですけどね、と言ってたじゃないか」「だいたい、今日はきっちり説明するという話じゃなかったのか。もともと、説明などしたくなかったんだろう。だから、難癖つけて調査を切り上げ、更正処分するつもりだったんだろう」と反論し、河地特官に視線を向けた。
 その隙に、竹山特官は、原告に背を向け、扉をくぐって玄関に向かった。
 この際、被告人と河地特官は応接室の中にとどまっていたが、玄関からガシャーンという音が聞こえたので、被告人は、「何をしたんだ」といいながら、玄関に向かった。このときの被告人、竹山特官、河地特官の位置関係等は、別紙図面4のとおりである。
(5)竹山特官らが被告人の事務所から退出していった状況
 被告人が玄関にたどり着くと、竹山特官の足元に、割れた壷の破片が落ちていた。
 被告人は、竹山特官に対し、「なぜ壷を割るんだ」と詰問したところ、竹山特官は、「私割ってませんよ」と言い訳をするや、玄関のドアを開けて外に出ようとした。
 被告人は、「壷を割っておいて、弁償もせずに逃げるのか」と述べたが、竹山特官は、無言で被告人事務所から退去した。
 河地特官は、被告人の後から応接室を出て、被告人に「テープなど投げてはいけませんよ」と声をかけた後、壷を割ったことについては何の弁明もしないまま、竹山特官に続き、被告人事務所を立ち去った。
 竹山特官は、被告人に嘘を追及されて論破され、証拠まで作成されることを恐れて応接室から逃げ出し、また壷を割ってしまい責任を追及されたため、これを免れるために、被告人事務所から遁走したものであり、河地特官もこれに追随したものである。
(6)その後の経緯
 被告人は、平成16年1月24日付け通告書をもって、国税庁長官に対し、従来の請願が誠実に対応されず放置されていたことや壷破損の件につき対応を求めたが、何ら応答がないため、平成16年2月2日、名古屋簡易裁判所に対し、壷破損による損害の国家賠償を求める別件民事訴訟を提起した。
別件民事訴訟においては、平成16年3月1日付けの竹山特官、河地特官の陳述書が提出されている。これらの陳述書には、前記のほか、本件事実経過に関し、客観的事実と矛盾する虚偽の供述がなされており、保釈請求却下に対してなした準抗告に対する決定(裁量保釈を認めるもの、平成16年3月4日)においては、同人らの「細部にわたる供述調書が作成されている」との事実が現れているため、同人らの供述経過も含め、本件訴訟の進行に応じ、適時弾劾する。

第2 被告人に対する身柄拘束、起訴に関する事情
 被告人は、平成16年2月7日、中警察署に出頭したところ、逮捕され、平成16年2月9日、勾留決定がなされ、接見禁止処分がなされた。
 同日中に、中警察署員が被告人事務所から証拠物を収集しており、また竹山特官、河地特官とも、ベテランの税務署員であって、被告人の働きかけによって、供述を変更するおそれはなかった(ここでいう「供述の変更」とは、被告人に不利益に虚偽供述を行うことは含まないことむろんである)。
 被告人に対する取調べは、被告人の身柄拘束中、ごく短時間であり、被告人の言い分について詳しく尋ねることもなかった。
 平成16年2月19日付けの勾留延長の裁判に対する準抗告を棄却する決定においては、「本件の起訴不起訴を決するにあたっては、被疑者、被害者及びその他関係者の取調べなどが不可欠」であり、「これらの者についていまだ細部にわたる検察官調書の作成に至っていない」とされているにもかかわらず、被告人については、細部にわたる検察官調書は作成されなかったし、被告人の妻に対しては、一切取り調べがなされないまま、平成16年2月27日に公訴が提起された。
 この時点で、被告人に対する身柄拘束及び本件公訴の提起は、被告人の罪証隠滅を防止するためのものではなく、被告人による民事上・行政上の責任追及を妨げ、ないしこれに報復するためのものであったとするほか、合理的な説明は不可能となった。
 

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〈控訴審裁判を終えて〉

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昨日、名古屋高裁で控訴審の第3回目の刑事裁判がありました。
前回の公判のとき、門野博裁判長は、次回は判決まで持っていくように言っていましたが、この日は前回に次いで証拠採用の可否についての審理に留まり、判決は次回期日に延期になりました。
次回の判決期日は、11月27日です。

判決は延期されましたが、状況が厳しいことには変わりありません。
この日は、まず、すでに証拠として採用されている検察側の訴因の予備的追加請求の認否について、被告人に質問がありました。
訴因の予備的追加請求について、私は、一審ですでに確定した事実と全く違う事実を今更持ち出して裁判するのは不当であり、手続きが違法である、という理由で認否を拒否しました。
次いで、被告弁護側は、前回証拠として申請し採用されなかった民事訴訟の判決書を再度証拠として申請しました。刑事訴訟法323条の証拠として提出したのです。
裁判長はこれも認めませんでしたので、当該判決書を刑事訴訟法328条の規定による証拠物として更に申請したところ、やっと証拠として採用されたのです。
また、犯行状況を再現してカセツトテープのケースがどのように割れるかを写した写真報告書も、刑事訴訟法328条の証拠として再度提出しましたが、検察官の反対意見もあり、これは不採用にされました。
そして最後に、A弁護士から弁論の要旨が読み上げられ、その日の審理は終了したのです。

閉廷後、写真報告書が証拠として採用された場合のことが、雑談として出ました。
これが証拠として採用された場合には、写真についての説明が必要になり、それを撮影したA弁護士が証人として法廷に立ち説明することになります。
その場合、検察はただ黙ってそれを受け入れず、A弁護士を偽証罪で立件してくるかもしれない。検察はこれぐらいのことは、平気でやってくる、という話をしていたのです。

控訴審裁判が厳しいのは、刑事の裁判官は、上へいくほどひどくなるという現実があるからです。ひどくなると言う意味は、より権力寄りになり、国民にとって公正な裁判が、より期待できなくなるということです。

統計から見ると、日本の刑事裁判の有罪率は99.98%で、無罪率は実に0.02%なのです。年度によって多少数字は変動しますが、それほど大きくは変わりません。
但し、一審判決の確定数だけで見れば0.04%程度と多少率は上がります。このことからも、上級審になればなるほど、無罪判決が出にくいのです。
もちろん、無罪率の0.02%は、明らかに有罪と認定できる事件を含めての数字ですから、純粋な冤罪事件のなかだけの数字ではありません。
しかし、法廷で自分はやっていないと無実を主張した、いわゆる否認事件に限っても、無罪率は1%弱に上がるだけなのです。つまり、この場合でも無罪判決が下されるのは、100人中1人以下ということです。

陪審制を敷いているアメリカなどでは、無罪率が5割を超えていますので、日本の場合は、いかに裁判が機能していないか、よくわかると思います。
起訴された段階で有罪であり、無罪か有罪かの決定権は、裁判官ではなく、検察にあるということです。
こと否認事件に関していえば、日本の裁判官は、正当な判決の100倍近く不当判決を出しているとも言えるのではないでしょうか。それほど、無罪判決は期待できないのです。

有罪判決が下されても、これで終わるわけではありません。
上告してどこまでも闘うつもりです。また、刑事訴訟だけでなく、民事訴訟も税務訴訟も継続中です。
更に、当ブログのトップページでも述べているように、私の闘いは法廷闘争に限定しているわけでもありません。当ブログで、腐った当局の関係者を厳しく批判して終わりにする程度でもありません。
時機を見て、第二、第三、第四の闘いを仕掛ける方針です。

最近、私の周りで不穏な動きがあり、いささか注意を払っているところですが、これからは、もっと露骨な嫌がらせ等があるかも知れません。また、何らかの事件をでっち上げ、官憲が私を逮捕しにくるかも知れません。
しかし、どんな不利益を受けようと、すでに私は、勝負に出たのであります。この体がぼろぼろになっても、あるいは無一文になっても、意識がある限り、権力に胡坐をかいて甘い汁を吸い尽くす卑劣な彼らを、絶対許さないつもりです。

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〈控訴審裁判を控えて〉

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1.控訴審の状況
明後日(10月4日)、名古屋高裁で控訴審の第3回目の刑事裁判が開催されます。前回公判の状況から、この第3回目の公判で、裁判所は形だけの弁論を再開し、その直後に早くも不当判決を下す方針のようです。
当ブログの記事としては話は前後しますので、詳細な説明は、また後日させていただきますが、公判に先立ちまして、この違法な裁判の問題点を予め指摘させていただきたいと思います。

前回の8月9日の公判で、控訴審の裁判官は、被告弁護側の提出した証拠をすべて不採用とし、検察側の反則的な請求だけを証拠として認める弁論を再開したということは、当ブログの《本事件のあらすじ》でも述べているところです。

2.訴因の予備的追加請求
前回の後半に備えて、被告弁護側は平成18年7月20日の民事事件の判決書の写しと、現場の犯行再現写真報告書を証拠として提出しました。それに対して検察側は、次の訴因の予備的追加請求書を提出し、「訴因及び罰条等の変更のため弁論の再開を請求します」と申し立ててきたのです。

<訴因の予備的追加請求書
平成18年8月4日
名古屋高等検察庁 検察官検事 吉田幸久
被告人○○○○に対する公務執行妨害被告事件につき、平成16年2月27日付起訴状記載の訴因に下記の訴因を予備的に追加したく請求する。

公訴事実
被告人は、平成16年1月23日午後2時25分ころ、名古屋市○○○○号室において、被告人の所得税等の調査に訪れた名古屋中税務署財務事務官竹山孝(当56年)に対し、「うそばっかりつくな。」などと怒号しながら、同人の傍らにあった応接コーナー用パーテーションに向けてケース入りのカセットテープを思い切り投げつける暴行を加え、もって同財務事務官の職務の執行を妨害したものである。>

当初の起訴状は次のとおりです。
<公訴事実
被告人は、平成16年1月23日午後2時25分ころ、名古屋市○○○○号室において、被告人の所得税等の調査に訪れた名古屋中税務署財務事務官竹山孝(当56年)に対し、「うそばっかつくな。」などと怒号しながら、その身体に向けて数本のカセットテープを投げつける暴行を加え、もって同財務事務官の職務の執行を妨害したものである。>

変更になっているところは、「その身体に向けて数本のカセットテープを投げつける暴行を加え、」が「同人の傍らにあった応接コーナー用パーテーションに向けてケース入りのカセットテープを思い切り投げつける暴行を加え、」
になっていることです。
この二つの事実は両立しません。

竹山孝財務事務官の身体に向けて数本のカセットテープを投げつける暴行を加えたと言うことで、一審は私が有罪になったのです。いわばその裁判で、私が負けて検察が勝ったのです。
そして、有罪になった私が、その事実は誤りだとして控訴しているのに、一審判決の根拠になった訴因の事実を、なぜ勝訴したはずの検察が控訴審で変更するのでしょうか。

一審判決の量刑が軽すぎて検察が控訴したような場合なら、投げつけたのはカセットテープだけでなく灰皿も投げたとか、カセットテープを投げつけただけでなく、殴る蹴るの暴行も加えたとかいうことで訴因を追加することもあるでしょう。が、有罪を受けた被告人だけが控訴しているような場合に、なぜ、検察が有罪の根拠となった訴因を二審で変更しなければならないのでしょうか。

3.一審判決の根拠
一審判決は、このブログでも触れましたように、誰が読んでもデタラメとわかるひどい判決でありました。
一審の伊藤新一郎裁判官の判決理由は次のようなものです。
「本件における事実認定についての中心となる争点は、①被告人が被害者に向けてカセットテープを投げたと認められるか。②被告人がカセットテープを投げた当時、被害者が調査事務の執行中であったか。という点にあると認められる。」
と、判決理由でまず事実認定の争点を指摘しました。

しかし、その事実を認定した根拠は、被告側から出した多くの物証は全く検討することなく、証拠にも挙がっていない警察官の実況見分の状況を勝手に推測した事実や、竹山、河地両財務事務官の供述のみに信用性を置いて、有罪に導いたのであります。
「河地の公判供述は、被害者が応接室から出て行く際につぼを壊したと思われる点も含め事実を率直に述べていると認められる」
「加えて河地の供述する被告人の事務所を訪れた際、犯行に至るまでの被告人の行動についての供述は、その主要部分においては被告人の供述とも符合している」
「これらの事実に照らすと、河地の供述は被害者と同僚であることを考慮に入れても、犯行場面に限って敢えて虚偽の事実を述べて、被告人を罪に陥れようとしているような事情も必要も窺われない」
「また、被害者も、同人が応接室の入口に置かれていたつぼに接触して壊したことを含め、信用性の高い河地の供述と大筋において符合する内容の公判供述をしている。したがって、同様に、その内容は、犯行当日の犯行に至るまでの被告人の行動についての、被告人の供述内容の主要部分と矛盾してはいない」
「被告人は、腹を立て、興奮して相手を罵った上で物まで投げるような心理状態に陥っていたことを認めているところ、このような精神状態にあった被告人が、座ったままの姿勢を続けた上で、意識的に被害者らのいる方向を避けてカセツトテープを投げたというのは不自然さを禁じえない」
「さらに、被告人の供述する投げ方を前提にすると、投げたカセツトテープのケースが、弁護人の見分したような壊れ方をしたとは到底考えられない。そうすると、この点について被告人の説明は不合理で信用できず、弁護人が発見したカセツトケースの破片3個の存在は、むしろ被告人の公判供述の信用性に疑問を抱かせる事情となるものである」
「したがって両名の公判供述の信用性を疑わせる根拠」はなく、「以上の各事情を総合すると、被害者及び河地の、被告人が被害者に向けて4本くらいのカセツトテープを投げた旨の各公判供述は、被告人の本件犯行を裏付ける証拠としての信用性を有すると言うことができる」
「一方、被告人の公判供述中、犯行状況についての供述は、上記で検討した点も含めて、自己矛盾であったり、不自然不合理な点が多く信用できない」
「以上を総合すると、判示事実は合理的な疑いを入れる余地なく認定できる」
として有罪の判決を下したのであります。

4.一審判決に対する批判
この伊藤新一郎裁判官の言っていることは支離滅裂で、何を言っているのかよくわからないものですが、要約すると、次のようになります。
①犯行に至るまでの状況については、河地の供述は被告人の供述と主要部分において符合しているから、信用性が高い→
②犯行に至るまでの状況について信用性の高い供述をする河地が、犯行場面に限って虚偽の事実を述べるはずがない。それは竹山と同僚であっても同様で、被告を陥れて竹山に有利な供述をすることなどありえない→
③竹山の供述も、つぼを壊したことを含め、信用性の高い河地の供述と符合しており、犯行に至るまでの状況については、被告人の供述内容の主要部分とも符合しているから、信用性が高い→
⑤犯行に至るまでの状況について信用性の高い供述をしている竹山、河地が、犯行場面で虚偽の供述をするはずがない→
⑥したがって、犯行場面についても竹山、河地の供述は信用性が高く、それと異なる被告人の供述は信用できない、というものです。

犯行に至るまでの状況についての供述も、私と竹山、河地両財務事務官とでは大きく異なっておりますが、この論理がおかしいことは、そういったことを詳しく説明するまでもなく、河地、竹山と被告人の前後を入れ替えて読んでいけば、全く逆の結論になることから明らかであります。

また、伊藤新一郎裁判官は、
「被告人は、腹を立て、興奮して相手を罵った上で物まで投げるような心理状態に陥っていたことを認めているところ、このような精神状態にあった被告人が、座ったままの姿勢を続けた上で、意識的に被害者らのいる方向を避けてカセツトテープを投げたというのは不自然さを禁じえない」
と言っていますが、裁判官の常識では、腹を立てれば、相手に物をぶつけるのが当然で、我慢して相手に物を当てないようにするのは、不自然だと言うのです。
野球の審判の判定に腹を立てた選手や監督は、その審判にボールやバットを投げつけたり、殴りかかったりするのが自然であり、怒りを我慢して地面にボールやバットを叩きつけたり、ベンチやドアを蹴ったりするのは不自然で、現実にはありえない、というのが裁判官の常識なのでしょうか。
ここでは、一審判決を批判するのが目的ではありませんので、これ以上は述べません。

5.訴因の予備的追加請求の理由
この判決の不当性については後日のブログに譲りますが、問題は、伊藤新一郎裁判官が一審において事実認定についての中心となる争点として挙げた「被告人が被害者に向けてカセットテープを投げたと認められるか」という事実です。

この点については、いろいろな証拠を提出し、2年近く争ってきました。
4本ぐらいのカセツトテープを竹山財務事務官めがけて投げつけたという虚偽の証言を繰り返す竹山、河地両財務事務官を、検察は全面的に支持し、あらゆる画策を用いて対抗してきたのです。
そして、伊藤新一郎裁判官は、その竹山、河地両財務事務官の虚偽の供述が信用できるとしてその事実を認め、私に有罪を下したのです。

ところが、二審では、前述したように検察が、その有罪の根拠となった訴因の事実を、訴因の予備的追加請求として、変更してきたのです。
表現は予備的追加となっていますが、従来の訴因の事実と今回の訴因の事実は両立するものではありませんから、訴因の追加ではなく、変更です。
それも、一審の裁判継続中に変更したのではなく、敗訴した私が控訴した二審で行ってきたのです。

一審で検察側の思惑どおりの有罪判決が出されたのに、なぜ有罪の根拠となった訴因の事実を二審で変更しなければならないのでしょうか。
それは、さすがに控訴審では、デタラメの一審判決を維持できないと考えたからでしょう。
吉田幸久検察官だけでなく、二審を担当する門野博裁判長、村田健二裁判官、松岡幹生裁判官らも同様にそう思ったはずです。
今までの供述証拠や物的証拠を普通に検討すれば、伊藤新一郎裁判官が事実認定の中心的争点として挙げた①「被告人が被害者に向けて数本のカセットテープを投げたと認められる」という事実の認定には、とても無理があることがわかるからです。
もうひとつの中心的争点として挙げた②「被告人がカセットテープを投げた当時、被害者が調査事務の執行中であったか」という事実は、どうにでもなると思ったのでしょう。
だからこそ、二審でも一審の有罪判決を維持するためには、有罪の根拠となった①の事実を変更しなければならなかったのです。

竹山財務事務官に対してではなく、傍らにあった応接コーナー用パーテーションに向けてケース入りのカセットテープを思い切り投げつける暴行を加えたということでも、公務執行妨害罪における間接暴行の形態は、一応は整います。後は、公務中でそれを妨害する故意もあったとすれば、有罪に導けます。
暴行の事実さえ形式的に整えば、故意があったかどうかは本人以外誰にもわからない内心の事実であり、客観的な証拠では反証することは困難です。
「推認しうる」という裁判官の一言で、決められる事実なのです。

また、伊藤新一郎裁判官は、何の根拠もなく、
「さらに、被告人の供述する投げ方を前提にすると、投げたカセツトテープのケースが、弁護人の見分したような壊れ方をしたとは到底考えられない。そうすると、この点について被告人の説明は不合理で信用できず、弁護人が発見したカセツトケースの破片3個の存在は、むしろ被告人の公判供述の信用性に疑問を抱かせる事情となるものである」
とも述べていましたので、被告弁護側は、犯行状況を再現してカセツトテープのケースがどのように割れるかを写した写真と報告書を、民事事件で勝訴した判決書とともに、二審で証拠として提出したのです。

ところが、二審の裁判官は、被告弁護側の出したそれらの証拠をすべて不採用とし、検察側の出した訴因の予備的追加請求だけを証拠として採用したのです。

この訴因の予備的追加請求の違法性については弁護団の説明に譲りますので、ここでは詳しく述べませんが、一審判決の根拠となった訴因の事実が間違っていれば、その判決は不当な判決であり、本来は、控訴審で被告人無罪の判決を言い渡すか、一審に差戻して審理をやり直させなければなりません。

それをせずに、予備的追加請求のみを証拠として採用したのは、高裁の裁判官が無罪判決を出したくないからであります。
もともと刑事の裁判官は、無罪判決を出すことを極端に嫌いますが、国の責任がらみの事件では無罪判決を出すことはほとんどありません。国という組織の一員である保守的な公務員である裁判官が、業務や人事で不利益をこうむることを覚悟してまで、何の面識もない一被告人に味方する理由などないからです。
加えて、一審の伊藤新一郎裁判官は、現職は名古屋地裁の刑事部長ですが、前職は名古屋高裁の左陪席を勤めていた裁判官です。高裁の裁判官にすれば、単なる同じ仲間の裁判官というだけでなく、かっての同僚に当たる関係です。決して浅い関係ではないのです。

6.裁判官の自覚の欠如
もちろん、訴因の予備的追加請求という手段は、検察側から相談して持ち出されたのか、裁判所側が検察官を呼んで慫慂(しょうよう)したため出てきたのか、定かではありません。
しかし、裁判所側の思惑と検察側の思惑とが一致して、出来レースのような裁判を行っていることは間違いありません。高裁の裁判官に、公正妥当な裁判を行おうとする意思は全くなく、納税者である国民を守る法律の番人としての自覚が欠落していることだけは、確かだと言えるでしょう。
もはや、私の二審判決の行方は、法律論争いかんにかかっているのではありません。
情けないことですが、担当する高裁の裁判官に、法曹家としての正義と誇りが残っているかどうか、それを貫くだけの勇気があるかどうかにかかっているのです。

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なお、当日弁護側の弁論を全く検討することなく、判決が下されることになるかも知れませんので、参考までに、下記弁論要旨を記載しておきます。

平成18年(う)232号 公務執行妨害被告事件
被告人 ○○○○
平成18年10月4日
名古屋高等裁判所刑事第2部 御中

弁護人 ○○○○

弁護人 ○○○○

弁護人 ○○○○

弁論要旨

起訴状記載の当初訴因(以下,「直接暴行訴因」という)に関する弁護人の意見,また平成18年8月4日付け訴因の予備的追加請求書記載の訴因(以下,「間接暴行訴因」という)に関する弁護人の意見は,以下のとおりである。

第1 直接暴行訴因に関する弁護人の意見
控訴理由にあたる原判決の事実誤認については,控訴趣意書について詳述した通りであるが,当審において新たに取調べられた証拠に基づき,補足する。

1 竹山の供述の信用性について
 当審での証拠調べの結果,竹山の供述の変遷が,さらに明らかになった。
 また,河地の不合理な供述が明らかになった。
(1)当審で取調べられた竹山関係の証拠
供述された時期の順に,次のとおりである。
平成16年1月23日 被害届(当審検甲第1号証)・・・当甲1
同年1月27日 供述調書(当審検甲第2号証)・・・当甲2
同年2月12日 供述調書(当審検甲第3号証)・・・当甲3
同年2月24日 供述調書(当審弁第5号証)・・・当弁5
同年2月26日 供述調書(当審検甲第4号証)・・・当甲4
平成17年12月1日 証人調書(当審弁第4号証)・・・当弁4

(2)上記証拠に現れた竹山の供述の変遷等
ア 当甲2
(ア)録音テープの内容に関する説明が異なっていた
録音テープの内容について,竹山は,「確かに,○○から署長を連れてこい等と言う強い口調と私が生返事をする内容が録音されていた」(8頁)と述べている。後に,竹山は,署長との面談は断った旨,証言した。この間の供述の変遷に合理的な理由は与えられておらず,かえって,被告人との電話の中で「分かりました」と述べたことが,被告人(民事訴訟における原告)にとって有利な事実であり,竹山及び民事訴訟における被告国にとって不利な事実であることから,竹山が「分かりました」と述べた趣旨をねじ曲げていったことが明らかとなる。
(イ)被告人による写真撮影を1回の出来事として述べていた
竹山は,被告人の撮影行為を1回の出来事として述べている(8頁)。
その後,竹山及び河地は,撮影行為は2回の機会に渡った(制止により一旦撮影をやめた被告人が再度撮影を始めたため席を立った)であった旨証言しているが,この間の供述の変遷について,合理的な説明は与えられていない。かえって,自らが席を立った理由を正当化・合理化するために,被告人の撮影の執拗さを強調しようとして,撮影行為が2回あった旨,河地と通謀して述べるに至ったことが疑いを否定できない。
(ウ)録音行為を禁止する「判例」
竹山は,「判例で録音行為の禁止が成されている」旨告げたと述べている(8頁)。しかし,税務調査において録音行為を禁止する判例はない。録音行為と調査拒否との関係が問題となった裁判例はあるが,竹山は,虚偽の事実(架空の判例)を持ち出して,被告人を騙そうとしたのである。
このような判例があることは,竹山は後に述べていないことから,自らの述べた嘘が露見するのを恐れ,同趣旨の供述をしなくなった疑いを否定できない。
(エ)席を立った理由,移動の理由
竹山は,被告人が写真撮影を始めた後も,前記「判例」の話を持ち出し,被告人が立ち上がりながら古賀調査官の問題を持ち出し,「怒号をまき散らしながら私達に因縁を付けてきた」ので,「このままではいけないと思い」移動したと述べる(8~9頁)。すなわち,席を立って移動した理由は,被告人の怒号等であり,写真撮影ではないのである。
その後,竹山は,席を立って移動した理由を,被告人が2度目の写真撮影をやめないためと証言したが,この間の供述の変遷に,合理的な理由は与えられていない。
むしろ,当甲2で竹山が述べる内容では,竹山が席を立ち,移動する直前,被告人と竹山のやりとりは,経緯に関する論争であって,原告は録音も写真撮影も行っていなかったのであるから,竹山が席を立って移動した理由を,調査拒否として正当化することができない内容である。このため,竹山が,写真撮影を理由にすり替えた疑いを否定できない。
また,当初,竹山と河地の供述は,この点で食い違っていたことが明らかである。河地の供述は,写真撮影が2回であったことで一貫しているが,なぜ,竹山の供述が,この河地の供述と後に一致するようになったのか,裁判所に考えていただきたい。竹山において,供述の変遷の説明がない以上,両名の間の通謀以外には,その原因は考えられない。
(オ)河地と共に退出したとする点
竹山は,「後ずさりをしながら玄関口から○○の事務所外へと河地さんとともに出て」(9頁)と述べた。
後に,竹山は,自らが先に出て(一目散に逃げ),河地が後であったと述べ,更に,民事訴訟において,先に出た竹山がドアを押さえて河地を待っていたことを認めるに至った。
この間の供述の変遷に合理的な理由は与えられていない。
むしろ,当初の段階で,被告人が「私に対し殴りかかってくるかの勢いで顔面を紅潮させ私に突進をしてきた」(9頁),あるいは「私におそいかかってきた」(図面)ことを,主たる脅威として主張していたこと,被害を誇張して「逃げ方」を大げさに述べようとしたことが示されている。
なお,被告人が竹山に向かって殴りかかっていったり,襲いかかっていったりしたことはない。そうであるならば,民事訴訟で河地が証言した当時の河地の態度(ノートを鞄にしまい,悠然とコートを着込む)は,一層説明不可能となる。河地としては,書棚に遮られて退出する竹山の様子が見えないのであるから,河地に分かったのは,被告人が竹山に襲いかかり,玄関で何かが割れた音がしたということになる。とすれば,河地が竹山が被告人に暴行を受けていると考えるのが当然であるのに,河地の実際の行動は上記の通りであった。
このように,竹山・河地の供述は,形式的に符合しているがゆえに,実質的に矛盾しているのであって,およそ信用できない。被告人は,実際は,玄関で壷の割れる音を聞いてカメラを持って玄関に向かったのである。
(カ)壷を損壊したことを隠していたこと
竹山は,当甲2の段階では,壷を壊したことを隠していた。初めてこれを述べたのは,当甲3の時点である。
後に竹山は,壷を壊したことは最初から述べた旨証言したが,自らに不利益な事実を当初は隠していたのが真実であった。
(キ)添付図面に書棚が示されていないこと
竹山が退出する状況を,河地が見ることができたかどうかについては,原審から争いがあったところである。
河地が,ソファとドアとの間に書棚がない図面を描いていることは原審の段階で明らかであった。
当甲2の段階では,竹山が描いた図面が添付されているところ,同図面では,河地が座っていたソファとドアとの間の書棚が記載されていない。
すなわち,竹山と河地は,ともに,同書棚の存在を認識していなかった。このため,竹山と河地は,それが客観的事実を矛盾するものとして追及されることを予測できず,通謀の上,河地が竹山の退出状況を見ていたことに話を合わせることにしたと考えるのが自然である。

イ 当甲3
(ア)録音テープの内容に関する説明が異なっていた
当甲3においても,竹山は,再生されたテープについて,署長を連れてこいという被告人の言葉に対して,「私が返事をする内容が録音されていた」と述べている(3頁)。このことが竹山の供述の信用性に及ぼす影響については,既に述べたとおりである。
(イ)録音行為を禁止する「判例」
竹山は,「判例で所得調査を妨害するような行為は禁じられている事から,写真撮影を中止するようにまたフィルムを提出するように警告した」旨述べる(4頁)。先に指摘した当甲2と内容が変わったことは明らかであるが,合理的な説明は与えられていない。
(ウ)竹山の立ち位置とカセットテープが当たった場所について
竹山は,被告人が投げたカセットテープが「私の背面になっていた壁やついたて(だと思いますが)」に当たった旨述べる(6頁)。
当時の竹山が認識していた現場の配置は,当甲2の添付図面のとおりであるが,ここで重要なのは,竹山の背後に「壁やついたて」があったと竹山が認識していたことである。すなわち,竹山はパーティションよりも内側にいたこと(原審における被告人の説明する立ち位置に近い状況)を意味する。パーティションの内側では,竹山が避ける余地はほとんどない。
さらに,竹山は,カセットテープが「ついたて」,すなわちパーティションに当たった可能性を否定していない。
竹山は,後にこの供述を変更し,竹山はパーティションの後ろに立っていたこと,竹山から見て左側をカセットテープが通過していったことを述べるに至ったが,この間の供述の変遷に合理的な理由は与えられていない。かえって,被告人が逮捕後に,パーティションを狙ってカセットテープを投げたと述べていることを警察官を通じて聞き,従来述べていた位置関係では,被告人が竹山を狙って外すはずがない距離・状況であることに気づき,位置関係を変更したことが窺われる。
(エ)壷の損壊に対する被告人の追及と撮影
竹山は,「陶器でできた花瓶みたいなもの」を割ったことを述べ,誤らなければと思っていると,原告が「割った。割った」とわめき,写真撮影を始めたこと,河地が被告人の横をすり抜けて玄関で靴を履いた旨述べている(7頁)。
竹山の後の供述については,既に述べたところであるが,竹山が壷を割ってから退出するまでの間に,被告人の言葉や撮影を目撃するだけの間があったこと,河地が靴を履く状況を目撃していることは明らかである。

ウ 当弁4
竹山は,民事訴訟において,投げられたカセットテープが,「私の左横,肩のほう」を通過したケースは,割れて,竹山の足下に散らばっていたと述べた(11,18,33頁)。
これが不合理であること,前方の床に向かって,実際に投げつけてみれば,立ちどころに分かることである(原審は,経験則の認定について,実験的精神に乏しかった。経験則の存否は客観的に検討すべきであり,判決文の書き易さで恣意的に決めてよいものではない。当審が,そうでないことを切に願う)。
竹山は,刑事訴訟では弁護人に対し,上下の位置は定かではないとしていた(調書・46頁)が,上記民事訴訟での証言にあたって,刑事事件のときよりも記憶がはっきりしているかどうかについては,「それほど変わらないと思います」とのことである(18頁)。
竹山が,事実を経験していない,あるいは記憶していないのに,あたかも経験したかのように供述する性格の証人であることは,従前の供述と民事訴訟での証言を対比すれば明らかである。

2 河地の供述の信用性について
 当審での証拠調べの結果,河地の供述の変遷が,さらに明らかになった。
 また,河地の不合理な供述が明らかになった。
(1)当審で取調べられた河地関係の証拠
供述された時期の順に,次のとおりである。
平成16年1月27日 供述調書(当審弁第3号証)・・・当弁3
同年2月12日 供述調書(当審検甲第5号証)・・・当甲5
同年2月23日 供述調書(当審弁第2号証)・・・当弁2
同年2月26日 供述調書(当審検甲第6号証)・・・当甲6
平成17年12月1日 証人調書(当審弁第1号証)・・・当弁1

(2)上記証拠に現れた河地の供述の変遷等
ア 当弁3
(ア)竹山の立ち位置について
河地は,竹山の立ち位置を,被告人と2メートルくらいと述べ(6頁),添付図面で,パーティションよりも内側に描いている。
これが,後にパーティションより外側に変更されたこと,供述の変遷に合理的理由が与えられていないこと,窺われる変更の動機については,竹山について述べたことと同様である。
(イ)被告人が竹山に向かって突進した事実がないこと
竹山は,被告人がカセットテープを投げた後,(被告人が竹山に襲いかかったと述べず)そのまま竹山が「玄関の方へ素早く逃げていきました」「その直後,○○さんはカメラを持って逃げる竹山さんの後を追い近づいていったのです」と述べる(6~7頁)。
この点で,河地と竹山の供述が当初は齟齬していたが,後に両者の供述は一致するようになった。竹山と河地の間に偽証の通謀があったことの証左である。

イ 当甲5
(ア)被害届の不存在
河地は,自らも被害届を行った旨述べるが(1頁),これが存在しないことは検察官が当審第1回公判で述べた。すなわち,河地か検察官が虚偽を述べたことは明らかである。
(イ)2回目の写真撮影の態様
河地は,被告人が「立ち上がりテーブルの上のカメラを持って竹山さんと私に向けてシャッターを切り容姿を撮影しだしたのです」「竹山さんの顔のほんの前にカメラのレンズを近づけてシャッターを押し続け出した」(5頁),その後河地を撮影しようとしたので,書類で顔を隠した旨述べるが,そのような接写による竹山の顔面写真はフィルムに残されていない。フィルムに残っているのは,竹山が席を立って応接室入り口に向かいだした状況と,顔を隠した河地と並んでいる状況だけである。写真の写り具合から,被告人が座っていたことは明らかである。
河地は,後に,被告人が座っていた旨述べるに至ったが(当弁2・4頁)河地が被告人の撮影状況(竹山が席を立った理由を合理化する事情)を誇張していたことは明らかである。
なお,河地は,当弁2において,誤解を与えるような説明をしたとか,読み聞けで間違いに気づかなかった旨供述の変遷の理由を述べるが,その程度の理由で「合理的」とされるのであれば,被告人が調書の記載について同様に述べた場合の通常の扱いと比べ,あまりに偏ぱ・不公平である。
(ウ)カセットテープが投げられた方向
河地は,被告人が,竹山めがけてカセットテープを投げたとは述べておらず,「確か,左手にカメラを所持したまま応接セットのテーブルの東側に立っている竹山さんの足元に向けて」投げたと供述している(7頁)。なお,「の足元」の部分は,手書きでの訂正であり,河地が特に申立てたことが明らかである。なお,河地は,「竹山さんがよけたため当たらず」(7頁)と述べている。
このように,もともと河地は,間接暴行とも取れる供述をしていたのであるが,後にその供述が変更されたことは,原審において明らかとなっている。この間の供述の変遷に合理的な理由は与えられていない。むしろ,竹山の供述と矛盾しないように供述の摺り合わせ工作がなされたことを窺わせるものである。
また,本来竹山に命中する軌道で飛んだこととされているが,この点は,当弁2・6頁において「竹山がそのようにして体を動かさなかったとしても,カセットテープは,竹山の体には当たらなかったのではないかと思います」と変更されている。河地が当初,竹山の被害を誇張して述べようとしていたことは明らかである。
(エ)割れた音を聞いた直後に玄関に向かったとする点
河地は,壷が割れた「音がした直後に私は何事が起きたのかと思い,玄関の方へ向かいました」と述べる(8頁)。
仮に川地が,被告人が「竹山に掴みかからんばかりの形相で向かっていった」(8頁),竹山の様子は書棚に阻まれて見ることができない(客観的事実),何かが割れる音を聞いたとすれば,この経過から,音がした直後に様子を窺いにいくことは合理的かつ自然である。
しかし,実際は,民事訴訟における証言で,河地は,ノートを鞄にしまい,コートを着込んでいたのであって,河地のシナリオは全く変わったものとなってしまっている。河地が,実際には竹山に身の危険がないことが分かっていてのんびりしていた事実を隠し,意図的に緊迫感を演出していたことは明らかである。
なお,この点の不自然さが,民事訴訟でどのように認定されたかは,当審において弁護人請求にかかる判決書の証拠調べが行われなかったため明らかにしないが,民事訴訟の裁判官の尋問における追及姿勢と公正な態度からすれば,その結論は察するところ明らかであろう。

イ 当弁2
(ア)カセットテープの軌跡
河地は,カセットテープの軌跡について,「下の方に向けて叩きつけるように投げた」,「全部一体のまま飛んでいって,竹山の体には当たらず,そのすぐ左後方の床に落ちて粉々に割れ」た,竹山が避けなくても命中しなかった旨述べている(6頁。なお当弁1も同旨)。
これは,間接暴行を意味する供述であって,直接暴行訴因とは明らかに矛盾する。床に当たったケースの破片は,惰性で後方に向かうのであり,その場にとどまることがない。竹山のすぐ左後方の床に破片が散らばっていたのであれば,ケースは,竹山よりもかなり前方に投げつけられなくてはならない。
後に,河地がこの点に関する証言をぼかし,「竹山の身体めがけて」という公訴事実と矛盾しないようにしていったことは,原審において明らかである。
(イ)竹山の後ずさりについて
河地は,竹山が退出した状況について「慌てて○○から逃げるように,体を半身の状態にして後ずさりながら部屋の出入り口から外に逃げていきました」と述べる(8頁)。
ところが,河地が具体的にこのような状況を供述できないこと(目撃が不可能であること)は,原審において明らかにしたとおりである。
その後,河地は,民事訴訟において,客観的事実に合わせて供述を変更していたが,以前,このような虚偽供述をしていた事実が消えるわけではない。
ウ 当弁1
民事訴訟での証人尋問によって,河地は,竹山の後ずさりについて,決定的な供述の変更を行った。従来,目撃したと供述・証言していた竹山の後ずさりを,目撃していなかった(目撃できなかった)ことを告白したのである。
河地は,「私の位置からは,隣の部屋もそれから出入口のところも見える状況ではなかったので,そこは見えておりません。」「私の左側に書棚か何かがありまして,それで出入口が見えるような状況ではなかったということです。」と証言する(6頁)。
河地は,また,検証調書記載の,「この時,開いていた状態のドアは見えましたが,出入口までは見えませんでした。」との説明について,「(本件事件のときではなく)検証のときに開いた状態のドアの一部が見えると,そこは見えるということでお話をいたしました。」と証言する(7頁)。
刑事訴訟における河地の証言では,「ドアを通っていったときも,斜めを向いたままですか。」と弁護人が質問したのに対し,「ええ,そのままの状態だったと思います。」と証言し,「その点は御自身が見られたと思うと。」との弁護人の質問に対して,「ええ,そこまでは見てます。私は。」と証言していた。
河地は,刑事訴訟において,明らかに偽証をしていたのである。
果たして,河地の証言が何故このような変遷をすることになったのかといえば,言うまでもなく,原告事務所において河地が位置していた左側に,書棚が存在しているという客観的事実があるからである。
民事訴訟において河地が,「書棚があるが故に見ることができない」と述べるのは,上記理由を裏付ける。
ところで,河地は,自分の左側に大きなものがあったことを一度も忘れたことはない,とも証言する(16頁)。
この証言は,河地が刑事訴訟において,書棚の存在を忘れて,見えないはずのものを見たかのように証言したのではない,と印象付けるためにしたものであることは言うまでもない。
しかし,被告人がカセットテープを投げたその4日後である平成16年1月27日に,河地自身が書いた原告事務所の図(当弁3)には,「一度も忘れたことがない」という書棚の記載が完全に欠落しているのである。
刑事訴訟においては,証人尋問の最後に,河地証言が物理的に認識不可能な竹山の動きを供述していることに気づいた検察官が,「若干移動して見たかも知れないということなんですか」と誘導し,「はい。そのへんは,ちょっと瞬間的にこうやった(体を横へ動かした)のかもわかりませんけども」と証言しているのであるから,見えなかったことを前提とする民事訴訟における河地の弁解とは明らかに矛盾しているのである。
このように,河地は,刑事事件において,竹山供述と歩調を合わせるために,客観的には見えないものを見たと供述してきたことについて,民事訴訟では一転して告白して弁解したものの,その弁解は全く破綻している。
3 結論
以上にみるとおり,当審裁判所が取調べた証拠のみによっても,竹山・河地の供述に多くの不合理な点・自己矛盾及び相互矛盾・説明不能な変遷があることが明らかになった。かかる状況で,竹山・河地の証言の信用性を肯定することは,公平かつ中立な裁判所が証拠に基づいて事実を認定する民事訴訟においてはもちろんのこと,刑事訴訟であっても,さすがに無理というべきである。
そこで,原審及び当審において取調べた証拠によれば,以下に述べるとおり,直接暴行訴因については,①竹山が公務の執行中であったとはいえない,②直接暴行を認めるに足りる証拠がない,③被告人に故意がないというべきである。
被告人は,直接暴行の訴因について,無罪である(なお,刑法95条に原判決の後の変更があることに留意されたい)。
(1)①証拠上,竹山が公務を執行中であったとは認められない
竹山が公務性を執行中であったか否かについては,席を立った時点で調査(推計等の説明)を続行する意思があったとする竹山の供述が信用できない以上,不明であるというべきである。
むしろ,竹山は,調査の経緯や推計に関する原告の具体的な抗議を記載した文書を読んだものの,その内容を検討しなかったことを自認している(竹山証言・33,36頁,当審弁4・28頁)のであるから,原告に対して,積極的に何かを説明しようとする意思,あるいは原告が既に文書で明らかにした質問内容に回答しようとする意思はなかったというべきである。
(2)②直接暴行の事実は証拠上認められない
竹山及び河地の供述が信用できない以上,竹山及び河地が述べるような直接暴行を認めるに足りる証拠がない(実行行為の証明がない)。
(3)③証拠上,故意は認められない
被告人は,調査(推計等の説明)のやりとりを録音することを述べたところ,録音に竹山が同意しない以上,テープを投げた時点で竹山は調査を打ち切って帰るつもりであると認識していた。従って,被告人には,公務性の認識,公務の執行を妨害する認識がない。
また,被告人は,テープをパーティションの角に向けて投げるつもりであった。被告人がどこを狙ってテープを投げたかを示す証拠は,他に存在しない。従って,被告人には,暴行の認識がない。
すなわち,公務執行妨害罪の構成要件的故意は,証拠上認められない。
第2 間接暴行訴因についての弁護人の意見
 1 従来述べた弁護人の意見の概要は次のとおりである。
(1)原審において検察官が本件において立証対象を直接暴行訴因に限定したこと,これを前提に被告人・弁護人が防御を行ったこと,従って,直接暴行訴因に対して間接暴行事実の認定は法律上許されず不可能であること
(2)前記(1)の経緯から,検察官が当審で行った間接暴行訴因の追加は違法であり,本来却下されるべきものであること(この点について,大林主任弁護人が述べた「異議」は,責問権を放棄しない趣旨のものである)
(3)訴因変更の違法を前提として,またその違法がなかったとしても,原審において直接暴行訴因についての証拠として取調べられた関係証拠を,当審において間接暴行訴因に流用することには異議があること
(4)前記(3)と同様の理由により,原審で述べた弁護人の証拠意見,就中「同意」という訴訟行為の効果は,当然ながら当時の直接暴行訴因との関係のみで認められており,当審において,間接暴行訴因との関係で法326条の同意書証として取り扱うことは許されないこと
2 裁判所がなすべき処置
弁護人の意見としては,従来述べたとおり,訴因変更は違法である。
さらに,裁判所は,前回公判期日において,弁護人請求の証拠に関する暫定的な所見として「不必要」と述べ,判決を行う意向を明らかにした。仮に,裁判所がこのような態度を維持するのであれば,控訴審で初めて追加された訴因について,被告人が第1審において,証拠制限がない状態で防御を展開する機会を奪ったに等しいから,審級の利益を害する点も,訴訟手続上の違法原因として追加するものである。
したがって,判決においては,間接暴行訴因の追加の違法を宣言し,間接暴行訴因については刑事訴訟法338条4号に基づき,控訴棄却の判決をなすべき筋合いである。
しかし,後に述べるように,間接暴行訴因についても,被告人が有罪であるとの証明はないに帰するから,被告人から再度の訴追の負担を取り除くべく,無罪の判決をなすべきである。
3 間接暴行訴因についても被告人は無罪であること
以下,間接暴行訴因が実体審理の対象となるとして,弁護人の意見を述べる。
(1)直接暴行訴因について取調べた証拠を間接暴行訴因に援用できないのであれば,間接暴行訴因は証明不十分であり,犯罪の証明がないから,被告人は無罪である。
(2)直接暴行訴因について取調べた証拠を間接暴行訴因に用いる場合であっても,直接暴行訴因についての結論(第1の3)で述べたように,公務性及び故意の証明がないから,被告人は無罪である。
なお,間接暴行訴因の事実を認定しようとする場合には,竹山・河地の全供述が,その反対証拠として機能すること,被告人の供述をつまみぐいする(テープを投げた態様のみを採用し,経過や動機やテープの狙いに関する被告人の供述を排斥すること)ような態度は不公正であることを付言する。
以上

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